家のローンや子どもの教育費でお金がほとんど貯まらず「貯金200万円」で50代に突入…今から老後資金「2000万円」を目指すのは無謀でしょうか?

配信日: 2025.12.07
この記事は約 4 分で読めます。
家のローンや子どもの教育費でお金がほとんど貯まらず「貯金200万円」で50代に突入…今から老後資金「2000万円」を目指すのは無謀でしょうか?
住宅ローンの返済や子どもの教育費が重なり、気付けば50代で貯金200万円しか貯まっていない……老後資金として「2000万円」という数字がひとつの目安として語られるなか、今から挽回するのは無理ではないかと不安を抱く人もいるのではないでしょうか。
 
とはいえ、実際の金融資産の分布や老後の支出構造を踏まえると、50代からの資産形成にも一定の現実的な道筋が見えてくる場合があります。
 
本記事では、統計データに基づき、50代から老後資金2000万円を目指す際のポイントを整理します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

二人以上世帯における金融資産保有状況

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)二人以上世帯」によれば、二人以上世帯全体の金融資産保有額は平均1374万円ですが、中央値は350万円にとどまります。
 
平均と中央値の差が大きいということは、一部の高資産層によって平均が押し上げられ、多くの世帯はそれほど資産を持っていない状況が読み取れます。
 
さらに、50代の世帯に絞ると、金融資産保有額の平均は1168万円、中央値は250万円となっており、半数の世帯は250万円未満しか保有していないという結果です。
 
この点から見ても、今回のケースのように貯金200万円で50代に入るという状況は決して特別なものではなく、「思ったように貯められなかった世帯」は一定数存在していると考えられます。
 
ただし、一般的な状況と自分の家計が似ているからといって、そのまま老後まで安心とは言い切れません。ここからどのように準備していくかが重要です。
 

老後資金2000万円の根拠――なぜ目安とされるのか

老後資金2000万円という数字は、定年後の年金収入と生活費の差額に着目したものです。老後は収入が公的年金に限られることが多い一方で、支出には食費や光熱費に加え、医療費や介護費などの不確実な費用が加わる可能性があります。年金だけでは生活費が不足し、その不足分が積み重なると数千万円規模になるという試算が背景にあります。
 
もちろん、生活スタイルや住居費の有無などによって必要額は大きく変動しますが、老後の一定期間を乗り切るための安全資金として、2000万円というラインが「ひとつの目安」として語られている状況です。
 

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

50代・貯金200万円から2000万円を目指すのは現実的か

50代から貯金200万円でスタートし、2000万円を目指すのは容易ではありません。しかし、それだけをもって「無謀」と切り捨てる必要はありません。
 
まず、50代という年代は、子どもの独立や教育費の終わり、住宅ローンの返済の終盤など、家計の固定費が減少しやすい時期でもあります。支出が下がるタイミングをうまく活用できれば、積立額を増やしやすくなります。
 
また、運用が選択肢に入る場合、資産形成の可能性は広がります。もちろんリスクはありますが、投資信託などの分散投資で長期的に運用することで、銀行預金のみより資産増加の期待値は高くなります。
 
ただし、短期間でリターンを追いすぎると、価格変動で資産が減ってしまうリスクもあるため、適切なリスク管理が欠かせません。
 
また、生活費を抑える工夫も重要です。固定費の見直しや住居形態の検討、保険の整理などで支出を減らし、捻出した資金を積立に回すことで、老後資金の形成が現実味を帯びてきます。
 

注意すべきリスクと老後に備える考え方

50代からの資産形成では、収入の伸びに期待しづらい一方で、医療費などの突発的な支出が発生する可能性があります。このため、資産形成と同時に「生活防衛資金(生活費3ヶ月~半年分程度が目安)」を確保しておくことが望ましいとされています。
 
また、老後の生活費も、住居費や医療費の状況によって大きく変わります。例えば賃貸住宅に住み続ける場合、家賃の負担が老後の家計に直結するため、長期的な住居計画も重要になります。
 
制度面でも、年金制度や税制は将来にわたり変更される可能性があるため、一定の不確実性がある点は認識しておく必要があります。こうしたリスクを踏まえたうえで、今の収支を把握し、無理のない範囲で積立と運用を継続していくことが現実的な対策といえます。
 

まとめ

貯金200万円で50代を迎えたとしても、そこから老後資金2000万円を目指すことは、決して不可能とは言い切れません。ただし、時間的な余裕は多くないため、家計の見直しと計画的な積立、必要に応じた資産運用を組み合わせ、堅実に準備を進めることが重要です。
 
統計データが示すように、資産形成が十分に進んでいない世帯は珍しくありませんが、今後の行動次第で老後の安心度は大きく変わります。不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談し、自身の状況に合った現実的な計画を立てていくとよいでしょう。
 

出典

金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年 二人以上世帯 各種分類別データ 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問