市営住宅に住む父が、家賃を3ヶ月滞納して「明け渡し勧告」が届きました。今から全額を支払えば退去せずに済みますか?

配信日: 2025.12.28
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市営住宅に住む父が、家賃を3ヶ月滞納して「明け渡し勧告」が届きました。今から全額を支払えば退去せずに済みますか?
公営住宅を利用している人のなかには、さまざまな事情で家賃を滞納してしまうケースがあります。原則として家賃は期限までに支払うものです。滞納し続けると、やがて明け渡しを求められる可能性があるため、注意が必要です。
 
今回は、公営住宅の家賃を滞納し続けた場合に起こりうることや、家賃を滞納しないためにできることなどについてご紹介します。
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公営住宅の家賃を滞納するとどうなる?

公営住宅の家賃を滞納し続けると、退去を命じられる可能性があります。公営住宅法第32条第1項によると、以下のいずれかの条件に当てはまる場合、事業主体は入居者に対して明け渡しを請求できると定められているためです。
 

・不正行為による入居が認められた
・3ヶ月以上家賃を滞納した
・意図的に共同施設や公営住宅を壊した
・借り上げ期間が満了した
・そのほか、法律で定められている条項に違反した

 
例えば、3ヶ月分家賃を滞納したとすると、条件のひとつである「3ヶ月以上の家賃滞納」に該当するため、場合によっては明け渡しを求められるでしょう。明け渡しを勧告されるまでの流れの例は以下の通りです。
 

(1)家賃の納付期限を過ぎるとまずは支払うようにという催促状が届く
(2)滞納が3ヶ月分になると、催告書で期日を指定されて支払うよう促される
(3)催告書が届いても対応しなかった場合、電話や訪問などによる納付指導が行われる
(4)納付指導を受けようとしない場合などは連帯保証人へ納付依頼が行われる
(5)納付指導を複数回受けても滞納を続ける場合、最終納付催告が送付される
(6)最終納付催告も対応しないと、住居の明け渡し請求をされる
(7)住居を明け渡さず、家賃も支払わない場合、訴訟による強制退去が実行される可能性がある

 
詳細な流れは自治体によって変わる可能性もありますが、大まかな流れは上記の通りです。今回のケースで、父親が3ヶ月分家賃を滞納し、明け渡し請求も届いている状態であれば、すでに自治体から複数回の催告や連絡が行われている可能性があります。早急に文書の内容と期限を確認し、管理担当窓口へ連絡することが重要です。
 

明け渡しを求められたときの対応

明け渡し請求をされた場合、できるだけ早く家賃を支払い、滞納状態を解消しましょう。すでに滞納をしてしまった状況なので、支払えない場合は一旦連帯保証人に代わりに支払ってもらうよう頼む旨の検討が必要です。
 
滞納分を支払って滞納状態が解消できれば、明け渡し請求に至る前に手続きが一旦見送られることがあります。ただし、すでに明け渡し請求や訴訟などの手続きが進んでいる場合は、支払えば必ず撤回されるとは限りません。
 
まずは自治体の管理担当窓口に早急に相談しましょう。連帯保証人も支払わない場合には、先述したように明け渡しを求められる可能性があります。
 
明け渡しを避けるためには、家賃を支払える見込みがなく、連帯保証人からの支援も受けられないと分かった時点、かつ支払期限が来る前に自治体の管理担当窓口に相談しましょう。

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家賃を滞納しないためにできること

急に収入が減ったなどで家賃を支払えない場合、家賃支払期限前に自治体や管理機関に相談することで、支払期日の延期や分割払いなどの対応をしてもらえる可能性があります。ほかにも、家賃を支払うために利用できる制度を紹介される場合もあるので、まずは相談しましょう。
 
離職や廃業などで収入源が断たれた場合に利用できる制度として、住居確保給付金制度があります。本制度は、各自治体が定める金額を上限に、実際の家賃額を原則3ヶ月間、延長が認められれば最大9ヶ月間支給してもらえる点が特徴です。厚生労働省によれば、利用するには以下の条件を満たしている必要があります。
 

・主たる生計維持者が離職や廃業から2年以内、もしくは本人の責任・都合によらずに離職や廃業と同程度まで収入が落ち込んでいる
・直近の月の世帯収入合計が、市町村民税均等割非課税基準額の12分の1と、家賃の合計を超えていない(家賃には上限あり)
・世帯の預貯金合計額が自治体で定める基準を超えていない
・ハローワークなどで求職活動をしている

 
支給額は世帯の状況や自治体によって異なるため、役所で確認しましょう。
 
ほかにも、家賃を工面する手段として日雇いアルバイトをしたり不要なものを売ったりする方法もあります。
 

全額を支払った場合は住み続けられる可能性もある

公営住宅の家賃は、3ヶ月以上滞納を続けると明け渡し請求ができると定められています。そのため、滞納を続けて複数回にわたる催告や納付指導にも応じなかった場合、明け渡し請求や、場合によっては訴訟による強制退去を求められるでしょう。
 
ただし、滞納した際に誠実に対応し、連帯保証人に代わりに支払ってもらう、あるいは自分でお金を工面して滞納分を支払うと、明け渡しはせずに済む可能性も考えられます。
 
また、家賃を支払えそうにないときは、利用できる制度がないか自治体に確認するのもよいでしょう。周囲の人に相談しつつ、滞納せずに支払うことが大切です。
 

出典

e-Govポータル法令検索 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号) 第三章 公営住宅の管理 第三十二条(公営住宅の明渡し)
厚生労働省 生活支援特設ウェブサイト 離職や解雇、やむを得ない休業等で生活に困窮する方へ 住居確保給付金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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