夫が「年金だけでは不安だから」と定年後も今の会社に残るようです。ただ「若い人のポストをふさいでいる」との声もあるよう。再雇用はやっぱり若い人に迷惑なのでしょうか?
再雇用は、本当に“迷惑”なのでしょうか。問題は、年齢そのものではなく、役割や処遇の設計にあると考えられます。そこで本記事では、家庭での話し合い方も含めて、納得できる判断材料を整理します。
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定年後も働く人が増えた理由は「意欲」だけではない
夫の「働き続けたい」という思いは、根性論というより「家計の見通し」を立てたいから、という側面が大きいと考えられます。実際、制度面でも企業は高年齢者の雇用を確保することが求められており、定年が60歳のままでも、本人が希望すれば65歳まで働ける仕組み(継続雇用制度=再雇用など)を用意する必要があります。
ただし、心身の状態や勤務状況など、年齢以外の合理的な理由がある場合は、継続雇用の対象外となることもあるため注意が必要です。
さらに、70歳までの就業機会確保は義務ではないものの、国が努力義務として推進ししています。 つまり、夫が会社に残るのは特別なことではなく、社会の流れとして自然に起きている選択肢といえるでしょう。
再雇用が若い人の迷惑になりやすいのは、役割が曖昧なとき
では、タイトルにある「若い人のポストをふさぐ」は本当なのかというと、これはケース次第です。
例えば、再雇用後も管理職の席や決裁権を握り続けるなら、若手の成長機会が減り、不満が出やすくなります。一方、役職ではなく専門性・教育・引き継ぎに軸足を移せるなら、若手にとってはプラスでしょう。
現場の摩擦で多いのは、「元上司が自分より下の立場になってやりづらい」「処遇が急に変わって本人の意欲が落ちる」といった関係性のねじれです。
厚生労働省の事例資料でも、再雇用後の処遇を一律に下げた結果、本人の不満だけでなく、現役社員からも「やりづらい」という声が出たことが示されています。つまり迷惑の正体は、年齢よりも 「何を期待する人なのか」が職場で共有されていないことにあると考えられます。
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迷惑にしない再雇用のコツは「席」ではなく「役割」を作ること
夫が再雇用で働くなら、職場での受け止められ方をよくする工夫ができます。ポイントは「会社に残る」ではなく、「どう働くか」を具体化することです。
例えば、役職の席を守るよりも、後進育成の担当として新人教育を手伝う、OJTの進め方を整える、マニュアルを整備するほうが周囲も納得しやすくなります。あるいは、その人(今回の場合は夫)しかできない仕事を整理して、誰でもできる形にしたうえで、引き継ぎを完了させる期限を決める方法もあります。
こうした動きが見えると、若手は「道が空かない」と感じにくくなり、「成長の支援を受けられる」と受け止めやすくなるでしょう。
また、働き方もフルタイム固定にせず、「繁忙期だけ手伝う」「特定プロジェクトだけ入る」など、周囲に居座っていると思われにくい働き方にすることもできます。
家庭においては、再雇用を「不安の先延ばし」にしないのが大事です。夫婦で、生活費の最低ラインや貯蓄の取り崩しペース、働く期間の目安を共有しておくと、職場の評価に振り回されにくくなります。「あと何年働けば安心か」が見えると、夫もポストにしがみつく発想から離れやすくなるでしょう。
再雇用は設計で見え方が変わる。会社にも家計にもプラスにしよう
再雇用が若い人に迷惑かどうかは、年齢で決まりません。役職の席に座り続ける再雇用は反発を招きやすい一方で、若手の育成や業務の引き継ぎ・困ったときのサポート役に回れるなら、若手にとってむしろ追い風になります。国の制度としても、65歳までの雇用確保は企業に求められています。
夫が働き続けるなら、「何のために残るか」「どのような役割なら周囲も得をするか」をセットで考えるのがおすすめです。そうすれば、家計の安心を守りながら、職場でも歓迎される再雇用に近づくでしょう。
出典
厚生労働省 高年齢者の雇用
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
厚生労働省 働き方改革応援レシピ No. 142 定年再雇用後の処遇を改善し、モチベーション向上 ~高齢者雇用に関する工夫~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー