都営住宅に住む友人は「収入が増えたら家賃が上がった」と言います。年金とパート収入がある場合でも、住み続けられますか?
本記事では、都営住宅の基本的な仕組みや所得要件、収入が増えた場合の制度上の扱いを整理し、年金とパート収入がある世帯でも継続居住が可能かを確認します。
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都営住宅の概要と申込要件
都営住宅は、東京都が住宅に困窮する世帯に供給する公営住宅で、一定の所得基準内であることが入居の前提とされています。募集は大きく家族世帯向けと単身者向けに分かれています。
東京都住宅供給公社(JKK東京)によれば、家族世帯の場合、東京都内に居住していること、同居親族がいること(パートナー関係にある方を含む)、定められた所得基準内であること、住宅に困っていること、暴力団員でないことなどが要件とされています。
単身者の場合は、東京都内に引き続き3年以上居住していること、配偶者がいないことかつ単身で居住していること、60歳以上などの要件に該当すること、所得が基準内であること、住宅に困っていること、暴力団員でないことなどが求められます。
所得要件は世帯人数や所得区分により異なります。例えば単身者(1人世帯)の場合、一般区分では年間所得0円から189万6000円まで、特別区分では0円から256万8000円までとされています。特別区分とは、心身障害者を含む世帯、60歳以上の世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯などが該当します。
なお、これらの基準は入居時だけでなく、入居後も世帯の収入に応じた住宅使用料(家賃)を決定するために、毎年の収入報告により確認されます。
収入が増えた場合の制度上の取り扱い
都営住宅の住宅使用料は、世帯の所得金額に応じた所得区分と、住宅の立地条件や広さ、建築年数などに応じて決定されます。さらに、入居後に収入が増え、一定の基準を上回った場合には、「収入超過者」や「高額所得者」と認定される場合があります。
東京都住宅供給公社(JKK東京)によると、収入超過者とは、「都営住宅に引き続き3年以上入居している世帯で、入居収入基準を超えた世帯」をいいます。
この場合、都営住宅を明け渡すよう努める義務があるとされるほか、収入区分に応じた家賃に割増使用料が加算されます。割増使用料は、収入区分と収入超過者になってからの期間に応じて割増率が決められ、一定期間が経過すると近隣の民間賃貸住宅並みの水準になることがあります。
さらに、高額所得者とは、5年以上継続入居し、直近2年間連続して認定所得月額が明渡し基準を超えた世帯を指します。この場合、家賃は原則として近隣の民間賃貸住宅並みとなり、明渡し請求の対象になります。
明渡しに応じない場合、最終的には都営住宅の使用許可の取消しや訴訟手続きに至る可能性もあるため、所得状況の把握が重要です。
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年金とパート収入がある場合の考え方
年金とパート収入がある場合は、それらを合算して所得が認定されます。そのため、年金のみであれば基準内であっても、パート収入を加えた結果として所得基準を超える可能性があります。
例えば、単身の60歳以上の高齢者が特別区分に該当する場合、年間所得256万8000円が上限となります。年金とパート収入の合計所得がこの範囲内であれば、原則として入居資格は維持されるでしょう。一方で、入居収入基準を超える場合には家賃の増額や、明渡し努力義務の対象となる可能性があります。
まとめ
都営住宅は、一定の所得基準内であることを前提とした公営住宅制度です。年金とパート収入がある場合でも、世帯の合計所得が基準内に収まっていれば基本的に住み続けることは可能でしょう。しかし、一定の基準を超えた場合には収入超過者や高額所得者として扱われ、家賃の増額や明渡し請求の対象となることがあります。
そのため、年金とパート収入を得ながら都営住宅に住み続けるには、合計所得がどの区分に該当するかを定期的に確認することが重要です。収入増が見込まれる場合には、将来の家賃負担や住み替えの可能性も含めた家計設計を検討することが現実的な対応といえるでしょう。
出典
東京都住宅供給公社(JKK東京) 都営住宅募集情報
東京都住宅供給公社(JKK東京) 所得基準表
東京都住宅供給公社(JKK東京) 4-4 収入超過者・高額所得者に対する措置
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
