「65歳以降も働くのが普通」と言われました。60代は実際にどんな職種を選んでいるのでしょうか?
しかし、どのような職種や産業が選ばれているのかは、具体的な統計を見なければ分かりません。本記事では、総務省統計局の公的統計をもとに、65歳以上の就業の実態と、どのような産業で働く人が多いのかを整理します。
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65歳以上の就業者数は過去最多に
総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-『敬老の日』にちなんで-」によると、2024年の65歳以上の就業者数は930万人で、2004年以降21年連続で前年を上回り、比較可能な1968年以降、過去最多となっています。
また、2024年の15歳以上の就業者総数に占める65歳以上の割合は13.7%で、前年より0.2ポイント上昇し、こちらも比較可能な1968 年以降過去最高となりました。
これは就業者のおよそ7人に1人が65歳以上であることを意味します。統計上、65歳以降の就業は「例外的な働き方」ではなく、一定の規模を持つ一般的な選択肢になりつつあるといえます。
背景には、健康寿命の延伸、年金受給開始年齢の引き上げ、在職老齢年金制度の見直し、企業の継続雇用制度の整備など、複数の要因があると考えられます。ただし、すべての人が働かなければならないというわけではなく、就業はあくまで選択肢のひとつです。
65歳以上はどのような産業で働いているか
では、60代の方は実際にどのような産業で働いているのでしょうか。
総務省統計局の同資料によれば、65歳以上の就業者を主な産業別に見ると、「卸売業,小売業」が133万人で最も多く、次いで「医療,福祉」が115万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が104万人、「農業,林業」が93万人となっています。
卸売業・小売業では、店舗スタッフや販売補助、レジ業務など比較的短時間勤務が可能な職種が含まれます。医療・福祉分野では、介護補助や送迎、施設内の軽作業など、多様な業務形態があります。サービス業では、清掃、警備、管理業務などが代表的です。農業・林業では、家族経営や自営的な働き方も含まれます。
さらに注目すべきは、産業構造の変化です。65歳以上の就業者数を10年前と比較すると、「医療,福祉」は64万人増加し、約2.3倍に拡大しています。高齢化の進展に伴い、医療・福祉分野の人材需要が高まっていることが背景にあると考えられます。
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60代が働く理由と働き方の変化
60代の就業には、収入確保だけでなく、社会参加や健康維持といった側面もあります。年金だけで生活できる場合でも、生活リズムの維持や人とのつながりを目的に働く人もいます。
また、現在は企業に70歳までの就業機会確保が努力義務とされており、再雇用や継続雇用制度を通じて同一企業で働き続けるケースも見られます。一方で、定年後に別の職種へ転職する人も少なくありません。特に小売業やサービス業では、経験や資格が必ずしも高度でなくても就業可能な職種が多く、柔軟な働き方が選ばれています。
もっとも、体力面や健康状態、家族の状況などによって働き方は大きく異なります。統計上は増加傾向にあるものの、すべての人にとって同じ働き方が適しているわけではありません。
まとめ
総務省統計局の統計によれば、2024年の65歳以上の就業者数は930万人に達し、就業者全体の13.7%を占めています。主な就業先は「卸売業,小売業」「医療,福祉」「サービス業」「農業,林業」などであり、特に医療・福祉分野は10年前の約2.3倍に拡大しています。
このように、65歳以降の就業は統計上一般化しているといえます。ただし、働くかどうか、どの職種を選ぶかは、健康状態や家計状況、生活設計などによって異なります。
「65歳以降も働くのが普通」と一律に考えるのではなく、統計の実態を踏まえたうえで、自身の状況に応じた選択を検討することが重要といえるでしょう。
出典
総務省統計局 統計トピックスNo.146 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで- II 高齢者の就業(6、9ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
