自営業の夫(45歳)が長年「国民年金」のみで働いてきました。老後の見込額を聞くと、とても生活できません。今からでも年金を増やす方法や足りない分を補う手立てはあるのでしょうか…?
それもあってか、将来の見込額を知ったとき「とても生活できる金額ではない」と不安になる家庭は少なくないようです。そこでこの記事では、45歳の自営業の夫が家計を支える世帯を例に、年金を増やす方法や足りない分を補う具体策を紹介します。
行政書士
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
国民年金だけだと、将来いくらもらえる?
国民年金(老齢基礎年金)の支給額は2026年度、満額でも約7万円です。これは、20歳から60歳まで40年間すべての保険料を納付した場合の金額です。
仮に未納や免除期間があると、その分は減額されます。つまり、夫婦ともに国民年金のみに加入している期間が中心となっている場合、将来の年金額は妻の分も合わせて月14万円前後が目安となります。
月14万円というと、大きな金額ではありますが、夫婦2人が賃貸物件で暮らしていくのはほぼ不可能に近いといわざるを得ません。
実際、公益財団法人生命保険文化センターのアンケート結果によれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は、月額で平均23万9000円となっています。また、中央値でも20万円から25万円未満となっています。
このように、国民年金だけで生活していこうとすると、持ち家で生活費を抑えられれば可能ですが、都市部や賃貸ではかなり厳しい水準です。
今からでも年金を増やす方法はある?
国民年金の支給額だけでは生活が厳しいことが想定されると、多くの場合「どうにか将来受け取る年金額を増やせないか」と考えることでしょう。実際のところ、45歳からでも国民年金の支給額を増やすことは可能です。
まず一番に思い浮かぶ方法は繰り下げ受給です。繰り下げ受給は、年金受給開始時期を65歳から75歳の間で変更できるものです。受給開始時期を1ヶ月繰り下げるごとに0.7%受給額が増えるため、最大で84%もの額が増額されます。
参考までに、月額10万円の年金の受給を75歳まで繰り下げると、受給額はなんと18万4000円になります。
もう1つのおすすめとしては付加年金があります。付加年金とは、月額400円、保険料を上乗せして払うと、将来の年金受給時に、支払った月数×200円の給付が上乗せで受けられるというものです。
このほか、制度がやや複雑ではありますが、国民年金に上乗する形で加入できる国民年金基金を開始するのも選択肢の一つです。
年金以外の方法もおすすめ
純粋な公的年金とは異なりますが、iDeCoで個人年金を積み立てるというのもおすすめです。また、いつでも自由に資産の切り崩しができるNISAや、退職金代わりに小規模企業共済を利用して資産形成することで、老後に備えた資産を用意することができます。
これらは公的年金ではないため、終身給付ではないなどのデメリットがあるものの、運用成績次第では、公的年金を上回る利益を得られることもあるため、検討の余地があります。
まとめ
老後、国民年金だけでは受給額が少なく、生活は厳しいかもしれません。しかし、繰り下げ受給や付加年金という公的年金における制度を利用したり、iDeCoやNISAといった資産運用策を組み合わせたりすれば、45歳からでも老後資金を増やしていくことができるでしょう。
45歳という年齢は、標準的な年金の受給開始年齢となる65歳まで20年の期間があります。20年あれば、年金や老後の保障を増やす時間としては、まだ何とかすることができます。もし、将来の年金に不安を覚えているのであれば、今から将来に備える対策を取ることをおすすめします。
出典
公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
執筆者 : 柘植輝
行政書士
