夫は「70歳まで年金を繰り下げる」と言いますが、私は不安です…夫婦で貯金1000万円。60歳から70歳まで年金なしで生活できるでしょうか?

配信日: 2026.03.15
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夫は「70歳まで年金を繰り下げる」と言いますが、私は不安です…夫婦で貯金1000万円。60歳から70歳まで年金なしで生活できるでしょうか?
公的年金は原則65歳から受け取れますが、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選ぶ人もいます。年金額が増えるメリットがある一方、受給開始までの生活費をどう確保するかは大きな課題です。
 
例えば今回のケースのように、「夫婦で貯金1000万円、60歳から70歳まで年金なしで生活できるのか」というような不安を感じる人もいるかもしれません。本記事では、繰下げ受給の仕組みを整理するとともに、統計データから老後の生活費の目安を確認します。
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年金の「繰下げ受給」とはどんな制度?

老齢基礎年金や老齢厚生年金は、通常は65歳から受け取る仕組みですが、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選択することもできます。日本年金機構によると、年金は66歳以降75歳までの間で受給開始を遅らせることができ、遅らせた期間に応じて年金額が増額されます。
 
増額率は、65歳から繰り下げた月数に応じて「1ヶ月あたり0.7%」です。例えば、70歳まで5年間繰り下げた場合、増額率は42%となります。つまり、65歳時点での年金額が仮に月15万円だった場合、70歳から受け取ると月21万3000円になる計算です。
 
この増額率は一度決まると生涯変わらないため、長生きするほど総受給額が増える可能性があります。一方で、繰下げ期間中は年金を受け取らないため、その間の生活費を自分の貯蓄などで賄う必要があります。
 

高齢夫婦の平均的な生活費

では、実際に高齢夫婦はどの程度の生活費を使っているのでしょうか。
 
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の平均的な家計は次の通りです。


・実収入:25万2818円
・消費支出:25万6521円
・非消費支出:3万356円

消費支出と非消費支出を合わせると、月の支出は28万6877円となります。統計上は収入より支出が多く、月3万4058円の赤字となっています。このデータは65歳以上の世帯の平均ですが、老後の生活費の目安として参考になります。
 

貯金1000万円で10年間生活できるか

では、夫婦で貯金1000万円ある場合、60歳から70歳までの10年間を年金なしで生活できるでしょうか。仮に、先ほどの平均支出である月約28万7000円を基準に考えると、年間の生活費は次のようになります。
 
・28万7000円×12ヶ月=約344万円
 
これを10年間続けた場合、必要な生活費は「344万円×10年=約3440万円」という計算になります。もちろん、この支出は65歳以降の平均値を目安としているため、60代前半の支出が必ず同じとは限りません。
 
ただ、平均的な水準を前提にすると、貯金1000万円だけで10年間生活するのは難しい可能性があります。そのため、実際には次のような方法を組み合わせるケースも考えられます。


・60代の間は働いて収入を得る
・支出を見直す
・繰下げ受給を選択せず65歳から受給する

さらに、年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰り下げることも可能とされており、柔軟な選択もできます。
 

まとめ

年金の繰下げ受給は、受給開始を遅らせることで年金額を増やせる制度です。70歳まで繰り下げた場合、年金額は65歳時点より42%増える可能性があります。
 
ただし、その間は年金を受け取らないため、生活費を貯蓄などで賄う必要があります。総務省統計局の家計調査によると、高齢夫婦の平均支出は月約28万7000円となっており、この水準を前提にすると10年間で3000万円以上の生活費が必要になる計算です。
 
貯金1000万円だけで60歳から70歳まで生活するのは難しいケースも考えられるため、繰下げ受給を検討する際には、収入や支出の見通しを具体的に整理しておくことが重要といえるでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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