公営住宅に住む叔母は、「実家を2000万円で売却した」そうです。資産が増えても、公営住宅に住み続けることは可能なのでしょうか?
本記事では、資産が増えた場合でも公営住宅に住み続けられるのかを解説し、公営住宅の主な入居条件や退去となるケースについても紹介します。
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資産が増えても公営住宅に住み続けられる?
公営住宅とは、都道府県や市区町村などの自治体が運営する低所得世帯向けの賃貸住宅です。民間の賃貸住宅とは異なり、入居にはさまざまな条件が設けられています。代表的な条件が所得基準で、世帯収入が一定の範囲内であることが必要です。
東京都住宅供給公社(JKK東京)によると、都営住宅の申し込み資格の一つとして、所得が基準内であることが挙げられています。具体的な所得基準は、図表1の通りです。
図表1
| 家族人数 | 所得区分(一般区分) | 所得区分(特別区分) |
|---|---|---|
| 1人 | 0円~189万6000円 | 0円~256万8000円 |
| 2人 | 0円~227万6000円 | 0円~294万8000円 |
| 3人 | 0円~265万6000円 | 0円~332万8000円 |
| 4人 | 0円~303万6000円 | 0円~370万8000円 |
| 5人 | 0円~341万6000円 | 0円~408万8000円 |
| 6人 | 0円~379万6000円 | 0円~446万8000円 |
出典:東京都住宅供給公社(JKK東京)「所得基準表」を基に筆者作成
公営住宅の継続入居についての判定は、主に収入基準に基づいて行われます。そのため、実家の売却で資産が増えても継続的な収入が基準内であれば、直ちに退去対象になるとはかぎりません。
ただし、入居後毎年収入申告が必要で、収入超過時は家賃増額や明け渡しを求められる場合があります。実際の運用は自治体によって異なるため、詳細は管理主体への確認が必要です。
公営住宅に住むための所得以外の条件
公営住宅に入居するためには、所得が基準内であることだけでなく、いくつかの条件を満たす必要があります。JKK東京によると、都営住宅の主な申し込み条件は次の通りです。
・東京都内に居住している
・同居する親族がいる(パートナー関係の相手も含む)
・現在の住まいに困っている状況である
・暴力団員でない
・東京都内に3年以上継続して住んでいる
・配偶者がおらず、一人暮らしである
・60歳以上などの単身入居の要件を満たしている
・現在の住まいに困っている
・暴力団員でない
東京都以外の公営住宅でも、基本的な考え方は大きく変わらない場合が多いでしょう。自治体によって細かな条件は異なりますが、一般的に家族の場合は次のような要件が設けられています。
・所得が一定の基準以下である
・同居する家族がいる(または同居予定がある)
・現在の住まいに困っている状況である
・保証人を立てられる
このように、公営住宅は収入だけでなく居住状況や家族構成なども確認されます。
公営住宅で退去を求められるケース
公営住宅では、一定のルールを守って生活することが求められます。これらのルールに違反した場合、自治体から住宅の明け渡しを求められることがある点に注意が必要です。
JKK東京(東京都住宅供給公社)によると、以下のようなケースで退去が求められるようです。
・虚偽の申請など不正な方法で入居していたことが発覚した場合
・家賃を正当な理由なく3ヶ月以上支払っていない場合
・許可を得ずに1ヶ月以上住宅を使用していない場合
・住宅や共用設備を故意に壊した場合
・騒音や悪臭などの迷惑行為が深刻で、注意や指導を受けても改善されない場合
・入居後に住宅を取得した場合
・暴力団員であることが判明した場合
・条例や管理者の指示に従わないなど、規則に違反した場合
・そのほか、管理上問題があると判断された場合
また、入居後に収入が増え収入超過と判断された場合は家賃に追加負担が発生し、高額所得者と認定されると明け渡し請求の対象となることがあります。
ただし、住んでいる公営住宅によってルールが異なる場合もあるため、詳細については自治体の窓口や管理団体の案内を確認しておくと安心です。
公営住宅に住み続けられるかは、収入や入居条件をあらためて確認しよう
実家を売却してまとまった資金が入った場合でも、継続的な収入が基準内であれば直ちに退去になるとはかぎりません。ただし、入居には所得以外にも居住状況や家族構成などの条件があり、入居後も家賃の滞納や無断同居などのルール違反があれば退去を求められる可能性があります。
公営住宅の条件や運用は自治体ごとに異なるため、不安がある場合は管理窓口に確認しておくとよいでしょう。
出典
東京都住宅供給公社(JKK東京) 所得基準表
東京都住宅供給公社(JKK東京) 都営住宅募集情報
東京都住宅供給公社(JKK東京) 「住まいのしおり」Living in Public Housing 4-6 退去
東京都住宅供給公社(JKK東京) 使用料のしくみ(高齢者等ふれあい同居募集)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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