父が定年後に再就職したものの、「やっぱり辞めたい」と言い出しました。この場合でも失業手当は受けられるのでしょうか? それとも、年金をもらう年齢なら別の考え方になるのでしょうか?
特に気になるのが、再就職先を辞めても失業手当を受けられるのか、年金をもらう年齢だと扱いが変わるのかという点です。そこで本記事では、定年後に再就職先を退職する場合の雇用保険と年金の考え方を解説します。
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目次
定年後の再就職を辞めても失業手当を受けられる場合がある
定年後に再就職した人でも、条件を満たせば失業手当を受けられる可能性があります。ここでいう失業手当とは、雇用保険から支給される「基本手当」のことです。
基本手当を受けられるかどうかは、定年後かどうかだけで決まるわけではありません。雇用保険に加入していたか、退職後も働く意思があるかが主な確認点になります。
具体的には、原則として、離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。そのうえで、求職活動を行いながら次の仕事を探している状態であれば、基本手当の対象になる可能性があります。
そのため、「もう働くつもりはない」「しばらく完全に休みたい」という場合は、すぐには対象になりません。
一方で、「体に合う短時間の仕事を探したい」「別の職場で働きたい」と考えているのであれば、受け取れる可能性があります。その場合は、退職後は会社から離職票を受け取り、ハローワークで相談しましょう。
65歳未満と65歳以上では受け取れる給付が変わる
定年後の退職で特に確認したいのが、退職時の年齢です。65歳未満で退職した場合は、基本手当の対象になる可能性があります。一方、65歳以上で退職した場合は、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」の対象となることがあります。
高年齢求職者給付金は、65歳以上の雇用保険の高年齢被保険者が離職したときに受け取れる給付です。主な条件は、離職日前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月以上あり、失業の状態にあることです。
基本手当と高年齢求職者給付金では、支給の形も異なります。基本手当は、失業認定を受けながら一定の日数分を受け取るのに対し、高年齢求職者給付金は一時金として支給される点が特徴です。そのため、66歳で再就職先を辞めた場合は、一般的な失業手当ではなく、高年齢求職者給付金の対象になる可能性があります。
年金をもらっている場合は併給できるか確認が必要
年金を受け取っている人が基本手当の受給を受けるために、ハローワークで求職の申し込みを行う場合は、年金との関係にも注意が必要です。
特に65歳になる前に特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人は、ハローワークで求職の申し込みをすると、基本手当を実際に受け取ったかどうかにかかわらず、原則として年金が全額支給停止される場合があります。
支給停止の期間は、求職の申し込みをした月の翌月から、失業給付の受給期間が経過した月、または所定給付日数を受け終わった月までです。
つまり、失業手当を受け取れるからといって、必ず家計にプラスになるとはかぎりません。申請を考える際は、支給停止になる年金の月額と、受け取れる基本手当の日額や給付日数の見込みを比べたうえで判断することが大切です。
一方、65歳以上で対象となる高年齢求職者給付金は、基本手当とは制度が異なります。この給付は一時金として支給されるものなので、65歳以降の通常の老齢年金は支給停止の対象とはなりません。
ただし、年齢や受給している年金の種類によって確認すべき内容は変わるため、退職前後にハローワークと年金事務所の両方へ相談すると安心です。
定年後の再就職を辞めた場合は、雇用保険の給付と年金の関係を確認しよう
定年後に再就職した父親が退職する場合でも、雇用保険に加入していて、退職後も働く意思があれば、給付を受けられる可能性があります。65歳未満なら基本手当、65歳以上なら高年齢求職者給付金を確認しましょう。
ただし、年金を受け取っている場合は注意が必要です。特に65歳前の老齢厚生年金は、ハローワークで求職の申し込みをすると、基本手当を実際に受け取ったかどうかにかかわらず、支給停止の対象になることがあります。
まずは、年齢や雇用保険の加入期間、年金の受給状況を整理し、ハローワークや年金事務所に相談することが大切です。制度を正しく確認すれば、退職後の生活設計を落ち着いて考えやすくなるでしょう。
出典
厚生労働省 Q&A ~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
厚生労働省 ハローワーク 離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>
日本年金機構 年金と雇用保険の失業給付との調整
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
