更新日: 2019.12.19 その他老後

老後に対する不安は大きくなっている?「家計の金融行動に関する世論調査」を読み解く

老後に対する不安は大きくなっている?「家計の金融行動に関する世論調査」を読み解く
2019年11月18日、金融広報中央委員会が「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を発表しました。調査時期は、令和元年6月14日~7月23日。今回の結果からは、老後の資金不足を就労で補おうと考えている人が多いことが分かりました。内容を確認していきましょう。
 
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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老後に対する不安は増えている?

調査では老後生活についての質問があり、約81%の方が「心配である」と回答しています。そのほぼ半数は「非常に心配である」と回答しています。
 
心配の理由としては、「年金や保険が十分ではないから」という意見が73.3%と一番多く、次いで「十分な金融資産がないから」という意見が多くなっています。「公的年金だけでは不十分」という発表がされたこともあり、不安が高まっているのでしょうか。
 

老後の収入源にも変化が

今回の調査では、老後の生活費の収入源を聞く質問もありました。79.1%の方が公的年金、48.2%の方は就業による収入と回答しています。3番目に多かったのが企業年金や個人年金・保険で、4番目は金融資産の取り崩しという結果でした。
 
前年から比べる、公的年金と回答された方が減少しており、就業による収入は45.7%から大きく上昇しています。「人生100年時代」という言葉もよく聞くようになり、元気なうちは働いて収入を得ようと思っている人も多くなってきているのかもしれません。
 

老後の準備が未対策の人も

調査結果では、老後に不安は抱えているものの、実際に準備していないという人の姿も浮き彫りになりました。家計のバランス・生活設計についての質問では、家計の資産負債バランスを「意識したことがない」と回答した人が64.1%と非常に多くなっています。
 
ただ、前回は65.5%だったことを考慮すると、老後資金の不足を意識して対策を考えている人が増えてきているようでもあります。
 
また過去1年で家計運営に対して、「思ったより、家計運営は苦しかった」と回答した人が46.9%と前回の42.9%より多くなってきています。老後の生活は後回しになっているのかもしれません。
 

自助努力を意識する人も

NISAや積立NISA、iDeCoなど、一般の方でも金融商品の運用を行いやすい制度が整いつつある昨今。今回の報告書でも、収益性の高いと見込まれる金融商品を保有しようと思っている、一部は保有しようと思っている人の割合が2010年以降でもっとも高くなりました。
 

まとめ

今回の調査では、老後のための資産形成が後回しになっている人もいるものの、意識している人が増えていることも分かります。いまから少しずつ準備を始めておくと、老後が目前となったときに慌てて準備を始めなくてもよくなります。
 
「2000万円の準備が必要」だという発表が今年話題になりましたが、私はずっと前から3000万円以上の準備は必要ですとお伝えしています。ぜひ、慌てて準備をするのではなく、余裕を持った資金計画、ライフプランを立てましょう。
 
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー


 

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