更新日: 2020.06.29 その他老後
人生100年時代は生涯現役?
長寿社会で老後資金が不足してさらに国が大きな借金を背負えば、公的年金、企業退職金等だけでは足りなくなります。不足分を補う方法として、確定拠出年金や個人年金が挙げられますが、終身で働き続ける方法も考えられます。
執筆者:手塚英雄(てづか ひでお)
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士
お金に振り回されない生活設計を目指している
可処分所得の最大化に拘れば人生に満足がない
人生を明るく豊かに過ごすためにお金を用いたい
他のFPとは一味異なる論点を持つ
http://www.fp-tezuka.com/
困りごとを解消する
“新たなビジネス”といえば、これまで誰も手掛けていないこと・画期的な方法で問題を解決する何かを見つけ、始めることをイメージします。しかし、このようなビジネスは誰もが簡単に始められるものではありません。
例えば、これまで会社員として勤めてきた人は、基本的には相手企業から仕事の依頼がやってくることが多かったかもしれませんが、自分で何かを始めようとすれば、待っているだけでは何も生まれません。
しかし、新たなビジネスといっても前述のように難しくとらえることなく「相手の困りごとを解消する」と考えれば、何か浮かんでくることがあります。
例えば、農家で果実を栽培している場合、地域のブランドの名のもとに販売できるのは、形・大きさ・色・糖度等が一定の基準以上でなければ認められません。農産物は自然が相手ですので、選別により一定基準以上のもあれば、基準を満たせない規格外も必ずあります。
生産者にしてみれば、手間暇かけて育てた果実がわずかな傷や変色により、規格外とされ、廃棄されるのはいたたまりません。贈答用では一定基準内が求められますが、自家用では多少の傷や変色は気にしない人も多いでしょう。その分安ければ問題ありません。
果実の規格外を安く仕入れて販売できれば、生産者も消費者も喜ぶ。さらに1種類の果実に限らず、広く農産物を対象にすれば喜ぶ人は何倍にも増えるかもしれません。
このように、ビジネスは物事を多面的に見て「相手の困りごとを解消する」と考えれば、思い浮かぶアイデアがあるのではないでしょうか。
現状の取引先に満足していない
自動車を保有していれば修理工場と付き合います。会社を経営していれば会計事務所と取引しています。保険に加入していれば保険会社、代理店、販売募集人と取引します。
すでに取引しているところに、どのくらい満足しているでしょうか。古くからの付き合いだから満足しているとは限りません。
例えば、大きな庭にたくさんの庭木が植えられている、古くからある郊外の家があるとします。かつて庭を造った当時は、家主の収入も多く造園業者に庭の管理を任せていましたが、時代が流れ世代が交代すれば、造園業者への支払いが負担になってくるかもしれません。
そうなった場合は、付き合いが長いからといって金払いが良い当時のまま取引をするのではなく、低価格の同等のサービスに変更することになります。
しかし、請け負う側(造園業者)としては、これまで高い金額で請け負っていた作業を単純に値下げて取引してしまうと、さまざまな意味で負担が大きくなるかもしれません。
また、「以前よりも安く請け負ってくれる」となれば、これまでの仕事量以上のものを請け負わなければならなくなる可能性もあります。こういった場合、請け負う側には依頼内容の整理とビジネスプランの構築が求められます。
人生100年時代を迎えています。金融投資等による老後資金づくりも有効な手段ですが、「生涯現役」として、ビジネスにおけるさまざまな可能性を探してみたい方は、仕事を通じてお金を稼ぐことで老後資金と“生きがい”づくりがかなえられるかもしれません。
執筆者:手塚英雄
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員