「年金はいつからもらえるの?手続きは必要?」今さら聞けない年金の基礎知識

配信日: 2019.09.17

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「年金はいつからもらえるの?手続きは必要?」今さら聞けない年金の基礎知識
先日、厚生労働省から発表された「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」の内容から、将来の年金に対する不安を持った方も多いと思います。
いざ年金をもらう年齢になった時に、「いつからもらうのがいいのか」「どんな手続きが必要なのか」といった素朴な疑問を抱く方も少なくありません。
 
今回は、受給年齢や手続き、注意点など、今更人には聞きにくいような年金(老齢基礎年金)の基礎知識について、お伝えします。
中田真

執筆者:中田真(なかだ まこと)

CFP(R)認定者、終活アドバイザー

中田FP事務所 代表

NPO法人ら・し・さ 正会員
株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師

給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP(R)資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。
https://nakada-fp.com/

年金はいつからもらえるの?

老齢基礎年金は、原則として65歳から受け取ることができます。受給資格期間を満たしている場合、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰り上げて(早めて)受け取ることができますし、65歳からではなく、それ以後に(70歳まで)繰り下げて(遅くして)受け取りを開始することもできます。
 
ただし、年金の受給時期を繰り上げ・繰り下げした場合、年金受給額が減額(繰り上げ)・増額(繰り下げ)されますので、その例や主な注意点などについて、以下に記します。
 
〇繰り上げ: 1ヶ月繰り上げした場合「0.5%減額」
例)60歳から年金を繰り上げて受給した場合は、0.5%×60ヶ月(65歳を60歳に5年繰り上げ)= 30%減額されます。
 
<主な注意点>
・繰り上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わらない
(取り消しや変更ができない)
・原則として、事後重症などによる障害基礎年金を請求することができない
・寡婦年金を受け取ることができない
 
〇繰り下げ: 1ヶ月繰り下げした場合「0.7%増額」
例)70歳から年金を繰り下げて受給した場合は、0.7%×60ヶ月(65歳を70歳に5年繰り下げ)= 42%増額されます。
 
<主な注意点>
・早くに亡くなってしまうと年金の受給総額が、65歳から受け取り始めた時と比較して少なくなってしまうことがある
・配偶者加給年金や子の加給年金などの加給年金額も支給時期が後ろ倒しされるものの、加給年金分は繰り下げしても増額されない

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手続きはどうすればいいの?

まず、年金の受給について気を付けておきたいのが「65歳になったからといって自動的に年金を受け取ることができる(振り込まれる)わけではない」ということです。年金を受け取るためには、ご自身で請求する(支給を求める手続きをする)必要があります。
 
そこで、年金受給までの手続きの流れについて、簡単に記します。
 
1、年金請求書の記入
受給開始年齢の3ヶ月前頃に、日本年金機構から「年金請求書」が送られてきますので、それに必要事項を記入します。
 
2、必要書類の準備
年金請求手続きに必要な書類を準備します(以下に、主な必要書類を記します)。ただし、必要書類は年金を受け取る方のご家族や勤務の状況などによって異なりますので、年金事務所などに詳細を確認すると良いでしょう。
 
〇主な必要書類など
・年金請求書
・基礎年金番号通知書(または年金手帳)
・戸籍抄本、戸籍記載事項証明書(戸籍謄本でも可・受給権発生後6ヶ月以内のもの)
・金融機関の預貯金通帳またはキャッシュカード(コピー可)
・雇用保険受給資格者証(雇用保険に加入したことがある場合)
・高年齢雇用継続給付支給決定通知書(高年齢雇用継続給付などを受給している場合)
・住民票(受給権発生後6ヶ月以内のもの)
・配偶者の年金証書(配偶者が年金を受給している場合)
・配偶者の非課税証明書、課税証明書または源泉徴収票(配偶者がいる場合)
・年金加入期間確認通知書(共済組合に加入されていた期間がある場合)
・印鑑(認印可)
 
3、年金請求書と必要書類の提出
年金請求書と必要書類を、年金事務所や街角の年金相談センターに提出することで、請求手続きが完了します。

まとめ

年金(老齢基礎年金)を受け取る権利が発生しても、自動的に支給されるわけではありませんので、ご自身で忘れずに、ご希望の年齢で受け取る手続きをする必要があります。
 
また、年金受給時期(年齢)によって、「生涯」の受給額が異なります。年金受給時期の直前に慌てることがないように、事前に老後の生活資金や貯蓄なども考慮し、年金受給時期について検討した方がよいでしょう。
 
執筆者:
中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー


 

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