公開日:2020.01.09 年金

知人が「わが家の夫婦は歳の差があるから加給年金がもらえるのよ」これって本当?

先日、知人女性から「わが家の夫婦は歳の差があるから“加給年金”がもらえるのよ」というお話がありました。
 
しかし……そのご家庭の背景を知っている私にはちょっと違和感があり、後日あらためてお話を伺ったところ、やはり勘違いでした。加給年金は「歳の差があるから」だけで受給できる年金制度ではありません。
 
寺門美和子

執筆者:

執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

詳細はこちら
寺門美和子

執筆者:

執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
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女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

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加給年金とは何か?

老後の生活の柱となる老齢年金。1961年4月2日生まれ以降の男性、1966年4月2日生まれ以降の女性は、65歳から受給できます。
 
しかし、夫婦で年齢が近い場合には、同時期に受給ができますが、歳の差がある夫婦だと、夫の老齢年金だけでは家計に負担がかかる可能性があります。その際に受給できるのが『加給年金』です。別名“家族手当年金”。しかし、この制度には“受給要件”があるので注意をしてください。
 

加給年金の受給要件

『加給年金』には、年金の加入状況や家族の年齢・収入など、の要件があります。

<年金の加入期間>

『加給年金』は厚生年金とセットと考えてください。厚生年金に240ヶ月以上加入している人が受給できます。

<生計を維持している家族がいる>

老齢年金を受給する本人が65歳に到達した時点で、生計を維持している配偶者または子どもがいる方です。このことから通称“家族手当年金”といわれています。

<配偶者・子どもの収入要件>

家族の年収が、850万円未満(所得が650万円未満)の方が対象です。

<配偶者・子どもの年齢制限>

■配偶者:65歳未満
■子ども:18歳到達年度の末日までの間の子。一般的には高校3年生までの子。または、1・2級の障がい状態にある20歳未満の子。
 
ちなみに知人の夫は、厚生年金の加入期間が約17年だったため、受給ができないことがわかりました。
 

加給年金の受給額

『加給年金』はいくら受給できるのでしょうか。

<加給年金額>

■配偶者:22万4500円(年額)
■子ども(1人目&2人目):各22万4500円(年額)
■子ども(3人目以降):各7万4800円(年額)

<配偶者加給年金特別加算>

この制度は、本人の生年月日により“配偶者の加給年金”に加算されるものです。
 
■1943年4月1日まで:段階的に金額が違います。
■1943年4月2日以降:16万5600円(年額)

<注意>

下記の場合は『加給年金』の支給が停止されます。
■配偶者が老齢厚生年金を受給(240ヶ月以上、または共済組合等の加入期間を除いた期間が男性40歳以降、女性35歳以降に180ヶ月以上)
■退職共済年金(組合期間が240ヶ月以上)を受給
■障害年金を受給
 

振替加算について

聞きなれないかもしれませんが、年金には以下のような“おまけ年金”もあります。
 
『加給年金』は、家族の年齢とともに受給ができなくなります。しかし、配偶者が以下の要件を満たせば、配偶者の“老齢基礎年金”に下記の金額が加算され、受給できます。

<配偶者に加算される“振替加算”の受給要件>

■配偶者が“加給年金”を受取っていた
■本人が“老齢基礎年金”を受給する資格を有している
■生年月日の要件:1926年4月2日~1966年4月1日生まれ
■本人の厚生年金(共済年金)の加入期間が240ヶ月未満

<振替加算額>

~配偶者の生年月日~
■下記以前:段階的に金額は変ります
■昭和36年4月2日~昭和41年4月1日:1万5042円
■昭和1966年4月2日以降:なし
 

受給漏れを防ぐには

以上が主な受給要件などです。若干イレギュラーなこともありますが、今回のコラムでは割愛をさせていただきます。詳細は日本年金機構のホームページ(※1)をご活用ください。
 
非常に複雑な制度なので「自分がもらえるのか?」と不安な方も多いと思います。その場合は、夫婦の“ねんきん定期便”を持って、管轄の年金事務所へ相談に行ってみてください。
 

年金額を増やした例

上記の内容を前述の知人に伝えたところ、夫婦で話し合った結果、夫が厚生年金加入事業所に再就職することになりました。再就職時の状況は、
■夫:61歳/厚生年金約200ヶ月加入
■妻:54歳
■長男:10歳
 
このような家族構成です。夫が65歳時点では下記のような年齢となります。
■夫:65歳/厚生年金246ヶ月
■妻:58歳
■長男:14歳
 
65歳の時点で夫は、年額61万4600円の加給年金を受け取れます(妻は要件を満たしている)。長年、夫は自営業にこだわっていましたが、再就職を決断されたのでこの変化は大きいですね。
 
近年、高齢出産の方も増えてきました。歳の差カップルも増えてきました。そのようなご家庭は、夫婦の年金受給について見直しをしてみてください。
 
(※1)日本年金機構「加給年金額と振替加算」
 
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士

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