ねんきん定期便、ちゃんと見たことありますか? 最低限見ておきたいポイント

配信日: 2020.05.08

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ねんきん定期便、ちゃんと見たことありますか? 最低限見ておきたいポイント
「私は老後にいくらの年金がもらえるのか?」よくいただく質問ですが、答えるのが難しい質問でもあります。
 
というのも会社員などが多く加入している厚生年金は、報酬額と加入年数によって給付額が変化するのに加え、平成15年以前の場合は報酬額にボーナスを含まないなど、算出するのに考慮すべきファクターが多く存在するため、一概にお答えすることができないのです。
 
年金額を把握するには、日本年金機構から定期的に送付される「ねんきん定期便」を参照するのが最も簡便で正確な方法となります。今回は自分自身の年金の加入状況と将来の給付額を定期的に確認できる、ねんきん定期便について解説していきたいと思います。
 
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

ねんきん定期便のポイント

ねんきん定期便の記載内容は、50歳未満、50歳以上、年金受給者の場合と年齢によって3段階に分けられ、年齢を重ねて年金の受給時期が近づくに従って詳細な年金情報が記載されるようになります。
 
また、節目年齢といわれる35歳と45歳、59歳はねんきん定期便が封書で送られ、より詳細な加入情報を確認できるようになっています。ねんきん定期便には記載されている情報はいずれも重要なものですが、以下の2点は特に確認しておきたいポイントとなります。

(1)加入実績に応じた年金額

これまでに加入していたさまざまな種類の年金(国民年金や厚生年金など)の加入実績を合算し、現在までの加入実績で得られる年金額が表示されます。若い方などは記載されている金額が少なくなっていますが、加入期間に応じて年金額は増加していきます。
 
併せて記載されている「今後の加入状況に応じた年金額(65歳時点)」では現在の加入状況で得られる65歳到達時の年金給付額を示しています。
 
しかし、厚生年金の給付額は、収入に応じて払い込める金額が定められており、現役時代に納付した年金保険料の額によって給付額が変化します。
 
これらは老後の生活設計に密接に関わってくる情報となりますので、毎年定期的に確認し、老後の資金計画に反映させていくことが大切です。

(2)年金加入期間

老齢年金は、原則として10年以上の受給資格期間が必要で、満たせない場合は老齢年金を受給することはできません。受給資格期間とは、保険料を納めた期間や、免除や学生納付特例制度で年金保険料の支払いを行っておらずとも年金保険へ加入している期間を指します。
 
年金保険料を未納にしてしまうと受給資格期間に合算されないばかりか、遺族年金の受給にも影響を及ぼしてしまう場合があるため、加入期間の情報は特に確認しておきたいポイントといえるでしょう。
 
ねんきん定期便では直近1年間の月別加入状況と、これまでに加入していた年金保険の種類と期間が記載されています。加入期間や受給資格期間に関して誤りが無いか、保険料納付額は正確に反映されているかを確認し、誤りを見つけた場合は速やかに年金事務所に問合せを行うようにしましょう。

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まとめ

2007年に発覚した「年金記録問題」では、年金の保険料を支払ったにも関わらず、その後の手続きが十分に行われず、年金の加入期間や給付額に反映されていないという、ずさんな対応が浮き彫りになり、大きな社会問題となりました。
 
その後、年金記録はねんきん定期便によって定期的に通知され、自身の年金記録が適切に処理されているかを簡単に知ることができるようになっています。
 
老齢年金は、加入期間と納付した年金保険料が給付額を決める重要なファクターとなるので、年金記録に誤りがあると、その誤った情報を基に給付額が決定されてしまうため、加入者は大きな不利益を被り続けることになります。
 
年金保険は自身や家族の生活を守る大切な柱です。その情報を定期的に教えてくれるねんきん定期便を活用し、間違いのない給付を受けることができるようにしていきましょう。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表


 

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