公開日: 2020.06.16 年金

定年後も働くと年金が受け取れないことも。在職中も調整されない年金って?

執筆者 : 井内義典

働いて給与や賞与を受け取ると年金はカットされ、受け取れないことがあります。しかし、すべての年金がカットの対象となるわけではありません。
 
井内義典

執筆者:

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

詳細はこちら
井内義典

執筆者:

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

詳細はこちら

老齢厚生年金は給与・賞与しだいでカットされる

60歳台を迎えると、生年月日に応じた支給開始年齢(60~65歳)から、老齢年金が受けられます。
 
2階建て制度となっている年金には、まず、1階部分の国民年金制度の老齢基礎年金(65歳から支給)があり、そして、会社員だった人のための2階部分の厚生年金として、60歳台前半の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)と65歳以降の老齢厚生年金があります。
 
しかし、60歳台でも在職中で厚生年金被保険者となっている人は、在職中の給与や賞与の額しだいでは、本来受け取れる厚生年金(報酬比例部分)がカット(支給停止)される場合があります(【図表1】)。
 


 
【図表1】のとおり、カットされる額は月額で計算されますが、60歳台前半(【図表1】の(1))、65歳以降(【図表1】の(2))、それぞれ、給与と賞与(12分の1の額)と年金(月額)が月額28万円を超える場合、あるいは月額47万円を超える場合にカットされます。
 
28万円と47万円でそれぞれ基準額は異なりますが、給与や賞与が高いと全額カットされることもあります。なお、厚生年金被保険者となって給与が高くても、老齢厚生年金の経過的加算額や国民年金制度の老齢基礎年金はその影響を受けず、全額受けられます。
 
また、厚生年金被保険者になっていない場合(厚生年金加入対象とならない短時間勤務や自営業者の場合など)は、給与やその他の収入が高くても年金は調整されません。

障害年金や遺族年金は在職中調整されない

このように老齢年金は在職中(厚生年金加入中)カットされることがありますが、年金には、病気・ケガにより障害が残った場合に支給される障害年金(障害基礎年金や障害厚生年金)や、亡くなった人の家族に支給される遺族年金(遺族基礎年金や遺族厚生年金)もあります。
 
障害年金や遺族年金を受ける場合については、在職中(厚生年金加入中)で給与が高くても、年金は調整されません(ただし、20歳前の傷病による障害基礎年金の場合は所得額しだいで年金の支給停止制度があります)。
 
つまり、給与を受けながら障害年金あるいは遺族年金を全額受給することも可能です。

在職中は調整対象とならない年金を選択する方法も

ただし、老齢、障害、遺族とある年金について、種類の異なる年金を同時に受けることができないのが原則です。障害年金あるいは遺族年金を受けられる人が60歳台を迎えて、老齢年金を受ける権利も発生すると、いずれかの種類の年金を選択して受給します(65歳以降は一部例外あり)。
 
老齢年金とそれ以外の年金を受ける権利がある人が、老齢年金を選択して老齢年金がカットされる場合もあることでしょう。
 
その間、一部あるいは全部がカットされた後の老齢年金より、カットされない障害年金や遺族年金の額が高いということであれば、障害年金あるいは遺族年金を選択することにもなります(【図表2】の例)。
 


 
複数の種類の年金がある場合は、受けられる年金の種類と額を確認し、そして働き方を考えた上で、受給する年金を選択します。就職や昇給・降給、賞与の支給、退職に応じて選択受給する年金を変える場合もあるでしょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

関連記事

障害厚生年金を受給すると傷病手当金は調整されるって本当?
「遺族年金の基本」受け取れる人は?いくらもらえる?手続きはどうすればいい?
定年後も働き続けるなら、知っておきたい年金のこと。いくらを超えたら年金減額?
 



▲PAGETOP