年金の種類別に見る! 年金の受給手続きとは?(2)
配信日: 2020.09.28
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
目次
年金の種類ごとの主な添付書類
年金の請求に当たっては、年金の種類によって請求書があり、この請求書に添付書類も合わせて提出する必要があります。年金の種類ごとの主な添付書類は【図表1】のとおりです。
戸籍謄本、住民票、通帳・キャッシュカードなど共通するものもありますが、年金の種類、家族構成、年金が受けられる原因、年金加入記録などによって必要な添付書類が異なってきます。
なお、添付書類のうち、市役所等で発行される住民票、除票と所得証明書(課税証明書・非課税証明書)については、マイナンバーを用いた情報連携によって、原則、添付を省略することが可能となっています。
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家族構成・就労によって添付書類が変わる老齢年金
老齢年金の請求の場合、【図表1】の左端のとおりの添付書類となります。年金加入記録や家族構成によって加算がつくことがあり、それによって添付書類が変わります。
また、請求書に雇用保険の被保険者番号を記入する欄がありますが、その番号のわかるものとして雇用保険の被保険者証が必要です。現在勤めている人は会社の総務人事の人に確認し、会社名の書いた被保険者証のコピーを用意しましょう。退職していて雇用保険の基本手当を受給している場合はその受給資格者証でも構いません。
自営業、専業主婦等が長く、雇用保険の被保険者でなくなって7年たっている場合や、会社の代表取締役など雇用保険の被保険者でない場合は、雇用保険の被保険者証は不要です(ただし、老齢年金請求書の中にある事由書の記入が必要です)。
初診日の証明や診断書の内容がカギとなる障害年金
障害年金は障害の状態を元に審査がされます。障害状態について医師が書いた診断書、請求者本人の申し立てによる「病歴・就労状況等申立書」が必要です。診断書は請求の種類や請求時期によって、現症日や枚数が異なります【図表2】。
また、初診日の病院が診断書作成の病院と異なる場合は、初診となる病院で初診日を証明してもらう「受診状況等証明書」が必要となり、受診状況等証明書が用意できない場合はそれに代わる申立書(「受診状況等証明書が添付できない申立書」)や初診日を証明するための書類を添付します。
死亡診断書の提出も必要な遺族年金
遺族年金は戸籍謄本、除票、死亡診断書(あるいは死体検案書)で、亡くなった人の死亡日の記載を確認しましょう。
手続きの際、死亡診断書(あるいは死体検案書)で亡くなった原因についても確認されます。第3者行為による死亡の場合は、「第三者行為事故状況届」、交通事故証明などが別途必要になります。
年金受給者死亡後に発生する未支給年金
老齢年金、障害年金、遺族年金のいずれかを受給していた人が亡くなった場合に、その遺族が受けられる未支給年金(1~3ヶ月分)については、2014年4月以降、亡くなった人の3親等以内の親族まで遺族の対象が拡大されましたが、おじ・おばが亡くなり、甥や姪が請求者となる場合は、この関係を戸籍謄本で確認する必要があります。
この場合、複数の戸籍謄本を使って確認しますので、そろえましょう。また、未支給年金の請求の際は、亡くなった人の年金証書や年金手帳も用意しましょう。
追加で書類が求められるケースも
請求者と配偶者・子(加算がつく場合の老齢年金や障害年金)、請求者と死亡者(遺族年金、未支給年金の場合)の住所が異なる場合は、それぞれの住所の住民票あるいは除票が必要で、さらに経済的援助や音信があったことについて、第3者の証明のある「生計同一関係に関する申立書」が必要になります。
また、各請求の窓口での手続きを請求者本人が行わず、他の人に委任する場合は、委任状と代理人の本人確認書類(運転免許証等)を用意し、また、請求者の印鑑(認印)も持参するようにしましょう。
その他、請求手続きの過程で、追加で必要な書類が発生することもありますので、年金事務所に確認してみましょう。
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー