公開日: 2020.12.21 年金

自分が払っている厚生年金保険料はどこで確認できる?

執筆者 : 辻章嗣

今回は、厚生年金保険料の仕組みと確認方法について解説します。
 
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

厚生年金保険料の仕組み

1.保険料の計算方法

厚生年金保険の保険料は、毎月の給与と賞与に共通の保険料率(18.3%)をかけて計算し、事業主と被保険者が折半して負担します。この際の給与と賞与は実際の額ではなく、標準報酬月額と標準賞与額が用いられます(※1)。
 

 

2.標準報酬月額とは

毎月の厚生年金保険料の計算に用いられる標準報酬月額は、被保険者が受け取る給与(各種手当を含む)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定されます。2020年9月以降の標準報酬月額は、下表のとおり1等級(8万8000円)から32等級(65万円)までの32等級に区分されています(※1)。
 

 
厚生年金保険の標準報酬月額とは基本給のほか、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金など、事業所から現金または現物で支給されるものが対象となります(※1)。
 
標準報酬月額は毎年4月から6月の報酬月額を基に、9月に改定(定時決定)されるほか、資格取得時の決定、随時改定などにより決定されます(※1)。
 

 

3.標準賞与額とは

厚生年金保険料の計算に用いられる標準賞与額とは、実際に支払われる税引き前の賞与の額から1000円未満の端数を切り捨てた額で、支給1回につき150万円が上限となります。なお、同じ月に2回以上支給された場合はその合算によるものとし、合計が150万円を超えた場合は150万円となります。
 
厚生年金保険で標準賞与額の対象となる賞与は、年3回以下の回数で支給される賞与(役員賞与を含む)、ボーナス、期末手当、年末手当、夏(冬)季手当、越年手当、勤勉手当、繁忙手当、年末一時金などです。
なお、年4回以上支給される賞与は標準報酬月額の対象とされ、標準賞与額の対象とはなりません(※1)。
 

4.保険料の徴収方法

厚生年金保険料は、日本年金機構が事業主から徴収します。また、事業主は毎月の給与および賞与から被保険者負担分の保険料を差し引き、事業主負担分の保険料と合わせて翌月の末日までに日本年金機構に納めることになっています(※3)。
 

厚生年金保険料の確認方法

それでは、自分自身の厚生年金保険料は、どのようにしたら確認できるのでしょうか。
 

1.給与明細で確認

一番身近な方法は、毎月の給与明細で確認することです。
 
給与明細は、一般的に勤怠状況、支給項目、控除項目から構成されており、控除項目の1つとして厚生年金保険料が記載されています。
 
その額は被保険者負担分の額になりますので、前述の厚生年金保険料額表の被保険者保険料と照合すると、ご自身に適用されている標準報酬月額が分かります。適用されている標準報酬月額が、実際に受け取っている報酬月額と一致するか確認してみることをお勧めします。
 

2.「ねんきん定期便」で確認

毎年、誕生月に送付される「ねんきん定期便」でも納付した保険料額を確認することができます。
 
「ねんきん定期便」では、これまでに納付した厚生年金保険料の被保険者負担分の累計額が記載されています。また、最近の月別の標準報酬月額、標準賞与額および保険料納付額が記載されていますので、漏れがないか確認するとよいでしょう。
 
また、35歳、45歳および59歳の節目の年に封書で送付される「ねんきん定期便」には、厚生年金保険料の被保険者負担分の累計額に加え、これまでの厚生年金保険の加入状況として全ての標準報酬月額、標準賞与額および保険料納付額が月ごとに記載されています。過去の勤務経歴に照らし合わせて、記入漏れがないか確認しましょう(※4)。
 

3.「ねんきんネット」で確認

「ねんきん定期便」は年に一度のお知らせですが、「ねんきんネット」(※5)を利用すれば、年金記録の一覧表示から加入状況と毎年の保険料納付額をいつでも確認することができます。この機会に「ねんきんネット」に登録されることをお勧めします。
 

4.標準報酬月額や加入状況に疑問があるときは

厚生年金保険料が正しく納付されていないと、将来受け取る年金額に影響します。
 
従って、給与明細や「ねんきん定期便」などで厚生年金保険料を確認した際に、実際の報酬額と適用されている標準報酬月額に大きな差がある場合や、厚生年金保険の加入状況に漏れや不明な点がある場合は、日本年金機構のホームページから「年金加入記録回答票」をダウンロードして必要事項を記入し、お近くの年金事務所に提出しましょう(※6)。
 

まとめ

厚生年金保険料は、毎月の給与と賞与に共通の保険料率をかけて計算し、事業主と被保険者が折半して負担します。この計算には実際の給与額や賞与額ではなく、標準報酬月額と標準報酬額が用いられています。自分の厚生年金保険料額は、給与明細や「ねんきん定期便」などで確認することができますので、正しく納付されていることをチェックしましょう。
 
出典
(※1)日本年金機構 厚生年金保険の保険料
(※2)日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表
(※3)日本年金機構 厚生年金保険料等の納付
(※4)日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
(※5)日本年金機構 ねんきんネット
(※6)日本年金機構 年金加入記録に「もれ」や「誤り」があった場合
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
 

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