更新日: 2021.12.21 国民年金

国民年金の控除証明書って何? 使い方は? なくしたらどうすればいいの?

執筆者 : 前田菜緒

国民年金の控除証明書って何? 使い方は? なくしたらどうすればいいの?
毎年11月と2月になると国民年金の控除証明書が発行されます。この控除証明書はいったい何に使うのでしょうか。控除証明書に関する疑問にお答えします。
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

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控除証明書とは

控除証明書は、1月1日~12月31日に納付された国民年金保険料の納付額を証明する書類です。年末になると生命保険会社から生命保険料控除証明書が届く人は多いと思いますが、その年金版です。
 
国民年金を納めた人に届く書類で、2022年1月1日~9月末までに国民年金を納めた人は10月末~11月上旬に、10月1日~12月末までに納めた人は2023年2月上旬に日本年金機構から発送されます。
 

控除証明書の使い方

控除証明書は年末調整や確定申告で使用します。国民年金保険料を納めると、その納めた金額全額が社会保険料控除の対象になるのですが、社会保険料控除とは、年末調整や確定申告で、申告することで納めた金額に対してかかる税金が少なくなるお得な仕組みです。
 
2022年度の国民年金保険料は1万6610円ですから、1年納めると19万9320円です。この金額全額を必要経費として所得から差し引けるため、税金が少なくなるのです。
 
もし、配偶者や子どもの分の保険料を納めたのであれば、納めた本人が申告できます。子どもが学生で、親が納めたのであれば、親が申告できるということです。
 
また、国民年金は2年まとめて納めることができますが、この場合、申告する金額は納めた金額全額を申告しても良いですし、各年の保険料に相当する額をそれぞれの年に申告する こともできます。
 
個人事業主なら、売り上げと相談しながら複数年の保険料を申告するか、今年分のみ申告するか自ら決めることで、節税対策ができます。
 
申告する金額は控除証明書の「(3)合計額」に記載がある場合は「(3)合計額」の金額を、「(3)合計額」に記載がない場合は「(1)納付済額」を申告します。
 

控除証明書が届かない・紛失した

控除証明書が届かない、または紛失した場合は、年金加入者ダイヤルか年金事務所に問い合わせましょう。なお、紛失した場合は、ねんきんネットのIDがあれば、ねんきんネットからでも再発行を申請できます。
 

年末調整や確定申告以外で控除証明書が必要になる場合は

年末調整や確定申告で所得税の申告を行わなかったとしても、住民税の申告で控除証明書が必要になる場合があります。それ以外で必要になる場合はありませんが、処分する際は申告することがあるかどうか、確認してからにしましょう。
 

控除証明書は節税するための書類

控除証明書は厚生年金に加入している人には、送付されません。しかし、会社員や公務員の人でも、転職などで今年、国民年金を納めた期間があるなら控除証明書が送付されます。届いたら、忘れずに申告しましょう。
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ

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