更新日: 2024.07.29 その他年金

夫婦で「月30万円」の年金を受け取るために必要な年収は?

夫婦で「月30万円」の年金を受け取るために必要な年収は?
老後における収入の柱となる年金ですが、もしも月30万円の年金を受け取りたい場合には、現役時代に年収いくらあれば良いのでしょうか。夫婦の働き方別に解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

老後の生活費は月26万円

総務省統計局が公表している「家計調査年報(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の生活費の平均値は図表1の通りとなっています。
 
【図表1】

年齢 生活費(消費支出)
65~69歳 26万1123円
70~74歳 23万9704円
75歳以上 21万24円

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支を基に作成
 
年齢階級が上がるに連れて生活費は縮小していきますが、69歳までの世帯では月に約26万円という結果になっています。これを見ると年金が月30万円あったとしても、ぜいたくな暮らしができるわけではないことが分かります。
 

おすすめ関連記事

 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

月30万円の年金をもらうための年収

それでは、月30万円の年金をもらうための年収を具体的に計算してみましょう。老齢厚生年金の受給額は次の算式で計算します。
 
平均標準報酬月額×5.481/1000×加入期間の月数
 
正確には「5.481」は平成15年4月以降の率であり、平成15年3月以前は「7.125」となっていますが、ここでは計算の便宜上「5.481」で統一して計算します。
 
また、加入期間の月数については22~60歳までの38年間、456ヶ月とします。
 

夫婦どちらかが専業主婦(夫)だった場合

専業主婦(夫)は老齢基礎年金のみになるため、月30万円の年金の行方は働いている方の年収にかかってくることになります。まず、夫婦の老齢基礎年金は満額で155万5600円(77万7800円×2)です。月30万円、年間360万円の年金をもらいたい場合の不足額は204万4400円ということになります。
 
では、この204万円を老齢厚生年金で賄うための年収を、上の算式に入れて逆算してみましょう。
 
平均標準報酬月額「81万7977円」×5.481/1000×加入期間の月数456ヶ月=204万4400円
平均標準報酬額81万7977円×12ヶ月=年収981万5724円

 
働いている方は、年収1000万円弱を38年間続けなければならないという計算になりました。
 

夫婦共働きだった場合

夫婦共働きで2人で厚生年金を払ってきた場合には、年収1000万円弱を38年間協力して稼げば良いということになります。例えば次のような組み合わせです。

・夫:500万円 妻500万円
・夫:600万円 妻400万円
・夫:300万円 妻700万円

夫婦が正社員で共働きであれば、月30万円という年金は十分に到達できる金額と言えるでしょう。
 

おすすめ関連記事

 

社会保険の加入はメリットもある

共働きの形として、夫婦のいずれかは社会保険の扶養内で働く方法があります。「年収130万円の壁」と呼ばれ、多くの人が気にしながら働いていることでしょう。
 
たしかに、社会保険に加入すると給与の天引きが増えて手取りが減ることになりますが、厚生年金保険料は自身が将来に受け取れる年金を支払っているのです。目先の手取り額だけではなく、少し遠くを見てみるのも必要です。
 

まとめ

今回の計算例では、夫婦合わせて月30万円の年金を受け取るためには、年収1000万円弱を38年間続けなければならない結果となりました。
 
片働きの世帯だと、限られた会社員が到達できる世界なのではないでしょうか。年金面からのみ考えると、どちらも社会保険に加入する夫婦共働きをおすすめします。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集