個人年金保険は「一括受取り」と「分割受取り」どちらがお得? 受取り時に税金はかかる?

配信日: 2024.06.20

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個人年金保険は「一括受取り」と「分割受取り」どちらがお得? 受取り時に税金はかかる?
個人年金保険とは、おもに老後資金を賄う目的で積み立てを行う私的保険です。個人年金保険にはさまざまな種類があり、受け取り条件や受け取り方法などが異なります。
 
今回は、個人年金保険の一括受取りと分割受取りの違いや、受取時にかかる税金について解説します。実際の個人年金保険のシミュレーション結果もご紹介しているため、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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個人年金保険の種類

個人年金保険の種類とその特徴は、表1の通りです。
 
表1

種類 特徴
確定年金 ・契約時に定めた期間で、被保険者の生死にかかわらず年金を受け取れる
・被保険者が年金受給の保証期間中に死亡した場合は、遺族は残りの年金や一時金を受け取れる
保証期間付終身年金 ・保証期間中は被保険者の生死にかかわらず、年金を受け取れる
・被保険者が生存している限り一生涯年金を受け取れる
・被保険者が年金受給の保証期間中に死亡した場合は、遺族は残りの年金や一時金を受け取れる
有期年金 ・契約時に定めた期間で年金を受け取れる
・保証期間を設けてある商品であれば、保証期間中は被保険者の生死にかかわらず年金を受け取れる
・保証期間を設けていない商品は、被保険者の死亡後は年金を受け取れない可能性もある
夫婦年金 ・夫婦のどちらかが生存している限り、年金を受け取れる
・年金受取期間中に夫婦の両方が死亡した場合は、保証期間の残りの期間に対する年金または一時金を遺族が受け取れる

※公益財団法人 生命保険文化センター 「主契約の種類」を基に筆者作成
 

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個人年金保険の受取方法

ここでは、個人年金保険の受取方法について解説します。
 

個人年金保険の一括受取り

一括受取りのメリットは、定年後にこれまでに積み立ててきた金額をまとめて受け取れる点です。個人年金保険を一括で受け取る場合は、所得税の一種である一時所得が課せられますが、最高50万円の特別控除が適用されてその分所得税をおさえられます。
 
一時所得は、受け取る個人年金の総額からこれまでに支払った保険料と特別控除の50万円を引いた分で計算できます。例えば、受け取る個人年金の総額が500万円で、これまでに支払った保険料が450万円とすると、一時所得は0円となり税金がかかりません。
 

個人年金保険の分割受取り

個人年金保険の分割受取りは、これまで積み立てた金額から毎月一定額を受け取る方法です。分割受取りで受け取る際は雑所得がかかり、一括受取の場合に課される一時所得とは計算方法が異なります。
 
雑所得は、その年に受け取る年金額から、その金額に対する保険料や運用時の掛け金を差し引いて計算可能です。
 

個人年金保険の一括受取りと分割受取りではどちらがお得?

実際に個人年金保険の一括受取りと分割受取りで、どの程度の金額差があるのかシミュレーションしてみましょう。試算条件は以下の通りとします。

●契約年齢40歳(男性)
●据置期間なし
●毎月の保険料2万円
●年金受取年齢65歳

これらで個人年金保険の試算を行うと、一括受取の場合は609万円程度、分割受取の場合は618万円程度の年金が受け取れます。一括受取りよりも分割受取りの方が、9万円程度多く受け取れる結果となっているようです。
 
ただし、据置期間がある場合や毎月の保険料の上下により、最終的に受け取れる金額に差が生まれる点を認識しておきましょう。
 

個人年金保険は一括受取りよりも分割受取りの方がお得になる可能性はあるがどちらも所得税がかかる

個人年金保険には一括受取りと分割受取りの2つの受け取り方法があります。加入する保険の種類にもよりますが、一括受取りよりも分割受取りの方が最終的に多く年金を受け取れる可能性があります。
 
また、一括受取りの場合は一時所得、分割受取りの場合は雑所得の所得税もかかる点に注意が必要です。所得税は、年金受取総額に対するこれまで支払った保険料や、必要経費の金額によりかかる金額はさまざまです。
 
個人年金保険に加入する際は、加入する商品の特徴を踏まえて事前に受取シミュレーションを行うとよいでしょう。
 

出典

公益財団法人 生命保険文化センター 主契約の種類
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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