3~5月に残業すると「年金保険料が高くなる」と聞きました。「月給30万円」ですが、月30時間残業すると「保険料」はどれだけ増えますか? 増える負担をシミュレーション
配信日: 2025.04.10

そのため、3~5月に残業が増え、その結果4~6月で支給される給与が大幅に増えると、標準報酬月額が上がり、それに伴って厚生年金保険料が増える可能性があります。どのくらい保険料が変わるのか、本記事で見ていきましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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厚生年金保険料の仕組み
厚生年金保険料は、標準報酬月額に応じた保険料額表に基づいて計算されます。標準報酬月額は、4~6月に支給された給与の平均額をもとに決定されます。
そして多くの会社では、例えば3月に残業した分の残業代は4月の給料に反映されるため、3~5月に多く残業した結果、4~6月の給料が増え、厚生年金保険料が増えることもあるでしょう。
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「30時間」残業が増えると、保険料はどれくらい増える?
それでは、30時間残業が増えると、年金保険料はどれくらい増えるのでしょうか。今回は以下の前提で計算してみます。
●基本給:30万円
●残業時間:3~5月の期間、毎月30時間
●残業単価:2500円(時給換算)
この場合、ひと月あたりの残業代は2500円×30時間で7万5000円です。そのため、月給の合計は37万5000円となります。
標準報酬月額は一定の区分に分けられており、残業がなかった場合の月給30万円であれば標準報酬月額「30万円」の区分、残業をして月給37万5000円であれば標準報酬月額「38万円」の区分に該当します。
標準報酬月額が30万円と38万円の場合、自身が負担する年金保険料はそれぞれ次のとおりです。
●30万円の場合:2万7450円
●38万円の場合:3万4770円
3ヶ月間残業を30時間したことで、ひと月7320円の年金保険料の増額となります。そしてこれは9月から翌年8月まで毎月同額かかるので、年間で考えると、7320円×12ヶ月で 8万7840円の負担増となります。
増える保険料にはメリットも
厚生年金保険料が増えると、手取りが減るので一見すると損に思えるかもしれません。しかし、将来受け取る年金額も増加するため、長期的に見ればメリットがあります。
厚生年金は、支払った保険料に応じて受給額が増える仕組みになっています。標準報酬月額が高くなることで、将来もらえる年金額も増えるため、結果的にはリターンがあるのです。
具体的には、標準報酬月額30万円で40年間働くと、将来は年間で約79万円の老齢厚生年金を受け取れます(老齢基礎年金は別途支給)。一方、標準報酬月額38万円で40年間働いた場合、将来もらえる老齢厚生年金は年間で約100万円です。
まとめ
3~5月に多く残業すると、4~6月に支払われる給与が増え、その結果、標準報酬月額が上がり、9月以降の厚生年金保険料が増える可能性があります。今回の月給30万円のケースでは、月30時間の残業を3ヶ月続けた場合、毎月7320円、年間にして8万7840円の負担増となりました。
厚生年金保険料が増えるとデメリットのように思えますが、その分将来的に受け取る年金額も増えるため、単なる負担増とは言えません。長期的な視点で、給与や年金を考えることが重要だと言えるでしょう。
出典
日本年金機構 標準報酬月額は、いつどのように決まるのですか。
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー