夫の年金「月18万円」が主な収入源だった80代女性。夫の死亡後、遺族年金は「5年」で打ち切られてしまうの?

配信日: 2026.02.23
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夫の年金「月18万円」が主な収入源だった80代女性。夫の死亡後、遺族年金は「5年」で打ち切られてしまうの?
「夫が亡くなったあと、遺族年金は5年しかもらえない!?」と、遺族年金を今後受け取る可能性のある人の中には、直近の年金改正について知り、今まさに慌てているという方もいらっしゃるでしょう。
 
実際、近年は遺族年金制度の見直しが行われており、「制度内容が分かりにくい」という声もインターネット上に多く見られます。
 
そこで、この記事では、現在80代の妻は遺族年金を何年受け取れるのか、5年で打ち切られるケースはあるのか解説します。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

まずは現行制度の概要確認から

まずは前提として、現行制度の内容を確認していきましょう。遺族年金には遺族基礎年金(国民年金から支給)と遺族厚生年金(厚生年金から支給)とがありますが、主に遺族基礎年金は未成年の子を持つ妻が中心となるため、今回は遺族厚生年金に絞って解説します。
 
遺族厚生年金は、配偶者が厚生年金受給中に亡くなった際、その方に生計を維持されている配偶者に支給される年金です。
 
受給できる金額は、亡くなった本人が受け取るはずだった金額のおよそ4分の3程度となります。参考までに、夫の厚生年金の受給額が月額18万円だった場合、妻の受け取れる遺族厚生年金は、月額13万円程度となります。
 

「5年で打ち切り」の根拠と影響

さて、続いて最近よくいわれる遺族年金の5年打ち切りについて順を追って説明していきましょう。
 
まず、5年で打ち切りといわれるようになった根拠は、2025(令和7)年6月に成立した年金改正の法案にあります。こちらには2028年4月の施行予定で、男女ともに60歳未満で配偶者と死別し、遺族厚生年金を受け取り始める場合に5年間の有期給付とする内容が盛り込まれていたからです。
 
つまり、改正後の内容であっても、60歳以上である場合は遺族年金が5年で打ち切られることはないのです。
 
なお、現状において、遺族年金は20代の女性においてすでに5年の有期給付になっているうえ、男性は55歳まで受給権がありません。
 
これが上記の改正後は、男女ともに原則60歳未満は5年の有期給付に統一され、男女の格差が解消されることになります。ちなみに、改正後も60歳以上で受給権が発生すると、無期限での給付となることは変わりません。
 

どうしても不安なときは?

5年の受給制限の話とは別に、夫の年金が月額18万円とすると、多くの場合は遺族年金で生活することに不安が拭えないでしょう。
 
その場合、まずは毎月の収支をできる限り正確に把握してみてください。そのうえで遺族年金の受給予想額を計算してみてください。
 
もし、それで不安になるようであれば、支出の削減を始めてみると、不安が解消できるでしょう。
 
また、それでも不安が解消できないという場合は、万一に備え、生活保護など諸制度の確認や、自治体の生活困窮者向けの相談窓口なども確認しておきましょう。そうすれば、不安が多少なりとも解消できるはずです。
 

まとめ

夫の年金が月18万円だった場合でも、年金額に関係なく、法改正後においても80代の妻が受け取る遺族年金は原則として終身支給されます。
 
「5年で終わる」という話は、60歳未満の方を対象とした将来の制度改正案が発端となった誤解です。不安をあおる情報に振り回されず、まずは正確に制度や収支を含めた現状と、将来の改正内容や変動する収支について把握するようにしましょう。
 
そうした小さな積み重ねが将来の不安を解消しつつ、現状行える最大の備えといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 遺族厚生年金の見直しについて
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

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