大学生の息子が“年金保険料”を「21万円」未納! 親が「年収500万円」の場合、代わりに払うと“親の税金”はいくら得になる? 軽減される金額をシミュレーション
そこで、「親である自分が代わりに支払えばどうなるのか」「税金面でメリットはあるのか」と考える人もいるでしょう。本記事では、年収500万円の親が息子の国民年金保険料を代わりに支払うケースにおける、税金面でのメリットについて解説します。
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20歳になると国民年金の加入義務がある
日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として国民年金の第1号被保険者となり、保険料を納めることが義務づけられています。この義務は、学生であっても例外ではありません。
2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円ですので、年間では約21万円になります。決して小さな金額ではないため、「学生のうちは払えない」という人も少なくないでしょう。
ただし、未納のまま放置することは、将来の年金額だけでなく、万一の保障にも影響するため注意が必要です。
未納にするリスクとは?
老齢基礎年金を受け取るためには、原則として10年以上の受給資格期間が必要です。未納期間が長く続くと、この受給資格期間を満たせず、将来、年金を受け取れない可能性があります。
また、受給資格の10年を満たした場合でも、未納期間があると、その期間分だけ将来受け取る年金額は減少します。
さらに、国民年金は老齢年金だけでなく、障害基礎年金などの保障機能も重要です。一定の納付要件を満たしていない場合、事故や病気で障害が残った際に年金を受け取れない可能性があります。
若いうちは実感が湧きにくいかもしれませんが、万一の保障という観点からも未納は慎重に考える必要があるでしょう。
親が代わりに支払うと、税金はいくら得になる?
子どもの国民年金保険料を親が支払った場合、その金額は親の社会保険料控除の対象になり、支払った年金保険料が所得から差し引かれます。ここでは、年収500万円、課税所得400万円の場合で見ていきましょう。
課税所得400万円の場合、所得税率は20%、住民税の所得割は原則10%です。そのため、負担した社会保険料に対し、合計で30%の負担軽減効果があると考えられます。年間の国民年金保険料を約21万円とすると、子どもの国民年金保険料を負担した際に軽減される税金の金額の概算は次の通りです。
・21万円×30%=6万3000円
つまり、親が負担した国民年金保険料21万円は、税負担軽減を考慮すると実質の負担は15万円程度と試算できます。
学生納付特例制度という選択肢もある
学生の場合、「学生納付特例制度」という仕組みもあります。これは、本人の前年所得が一定以下であれば、在学中の保険料の納付が猶予される制度です。
この制度を利用すれば、老齢基礎年金の受給に必要な10年以上の受給資格期間に、猶予されている期間が含まれます。また、猶予中であっても一定の条件を満たせば受給資格は確保されます。
なお、猶予期間の分の年金保険料は、10年以内であれば追納することが可能です。追納すれば、その期間は満額納付した場合と同じ扱いになります。
まとめ
20歳の子どもの国民年金保険料を親が代わりに支払うと、社会保険料控除により、年収500万円・課税所得400万円のケースでは約6万円の税負担軽減が期待できます。未納による将来のリスクを避けつつ、税金面でも一定のメリットがある選択肢といえるでしょう。
一方、学生納付特例制度という方法もあります。家計の状況や将来の見通しを踏まえ、「今払うか」「後から追納するか」を総合的に判断することが大切です。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 個人住民税
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
