専業主婦だった妻が「月10万円稼いで厚生年金に入る」とパートを開始! 60歳からだと、手取りが減って“働き損”になりませんか? 5年間で将来の年金がいくら増えるのか試算
本記事では、60歳から厚生年金に加入するメリットやデメリットを紹介するとともに、月収10万円を例にいくら年金が増額されるのかを解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
60歳から厚生年金に加入するメリット
厚生年金に加入するメリットとしては、将来受給する老齢年金額が生涯にわたって増額される点が挙げられます。さらに、要件を満たすと会社の健康保険に加入できるため、病気やけがで療養して働けない場合に傷病手当金の受給も対象となります。
傷病手当金は、業務外の病気やけがが原因で療養し、働くのが難しい場合に最長で1年6ヶ月の間支給される手当です。休業期間中であっても給与の3分の2相当の金額が支給されるため、万一の際も家計の収入減少を防げます。
また、社会保険料の半分は勤務先の企業が負担する仕組みになっているため、家計全体で見ても有利な制度です。専業主婦だった妻が自身名義で社会保障を確保できるのは、定年後の家計にとって安心材料といえます。
医療費負担の軽減や万一の保障充実を考慮すれば、将来の年金額を増やす以上の付加価値を見込めます。
60歳から厚生年金に加入することにデメリットはある?
給与から厚生年金保険料と健康保険料が天引きされるため、毎月の手取り額は減少してしまいます。これまで夫の扶養に入っていた場合は、新たに社会保険料の負担が発生するため、働き損に感じてしまうかもしれません。
そして、職場で社会保険の加入要件を満たすには、所定の労働時間や日数を継続してこなす必要があります。体力的な負担が増加し、職場での責任も重くなる可能性があるため、無理のない範囲で働けるかどうかも重要なポイントです。
目先の手取り額減少と、将来の年金増額や健康保険の充実を比較し、夫婦で話し合ってみるのをおすすめします。
60歳からパートに出て月10万円稼ぐといくら年金が増える?
「社会保険適用ガイドブック」によると、年間給与が120万円となる月収10万円の条件で1年間働いた場合、将来受け取る年金は月額で約400円増額される計算です。少ないと感じるかもしれませんが、60歳から65歳まで5年間継続して加入すると、将来の受給状況は変わってきます。
5年間同じ条件で働き続けた場合は月額約2400円が増額され、年額にすると約2万8800円増える見込みです。一方、毎月支払う厚生年金保険料の目安は約9000円となり、手取り額は減少してしまう点に注意しましょう。
増額された年金は亡くなるまで受け取れるため、長生きするほど支払った保険料以上のリターンを得られます。
まとめ
厚生年金への加入は、健康保険の保障を受けながら将来の年金額を増やせるため、家計へのメリットが見込めます。今回のケースでは、月収10万円で5年間働けば年金は月額約2400円増加することが分かりました。
ただし、実際に加入する場合は、毎月の給与から保険料を支払わなければいけない点は、事前にしっかりと覚えておきましょう。
出典
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級