65歳から”年金”を受け取る予定ですが、「繰下げで増える」と聞いて迷っています。長く働くなら、本当に得なのでしょうか?

配信日: 2026.03.17
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65歳から”年金”を受け取る予定ですが、「繰下げで増える」と聞いて迷っています。長く働くなら、本当に得なのでしょうか?
65歳から年金を受け取れる人の中には、「すぐもらうか、それとも繰下げるか」で迷う人が少なくありません。繰下げ受給をすると年金額は増えますが、誰にとっても必ず得とは言い切れません。
 
特に、65歳以降も長く働く予定があるなら、収入の状況や家族の年金、受け取りたい時期まで含めて考えることが大切です。数字だけを見るのではなく、自分の暮らしに合うかどうかで判断する視点が必要です。
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繰下げ受給をすると、年金は1ヶ月ごとに増えていく

老齢年金は原則65歳から受け取れますが、希望すれば受け取りを後ろにずらす「繰下げ受給」ができます。日本年金機構によると、繰下げた場合の増額率は1か月あたり0.7%です。増額は75歳まで続き、最大で84%増になります。
 
たとえば、65歳から受け取る年金が月15万円の人なら、一定期間繰下げれば毎月の受取額を大きく増やせる可能性があります。長生きした場合には、その分だけ受取総額も増えやすくなります。だからこそ、「元気で働けるうちは受け取らず、あとで増やしたい」と考える人にとっては魅力のある制度です。
 

長く働く人ほど向いている面はあるが、注意点もある

65歳以降も給与収入があり、すぐに年金を生活費に回さなくてよい人は、繰下げを選びやすい傾向があります。働いている間の生活費を給与でまかない、その後の年金額を増やす考え方は理にかなっています。特に、「70代以降の家計を少しでも安定させたい」「長生きしたときの安心を厚くしたい」という人には相性がよい方法です。
 
ただし、長く働くなら必ず得とは言えません。まず、繰下げている間は年金を受け取らないので、その期間に受け取れたはずの年金はなくなります。また、加給年金額や振替加算は増額の対象ではなく、繰下げ待機中は受け取れない点にも注意が必要です。
 
夫婦世帯では、この影響が思ったより大きいことがあります。「自分の年金だけを増やせばよい」と考えると、判断を誤りやすくなります。
 

働き方や健康状態しだいで、「増やすより先にもらう」ほうが合うこともある

繰下げ受給は、将来の年金額を増やせる一方で、元気に働けることや、当面の生活費に困らないことが前提になる制度です。たとえば、仕事をいつまで続けられるか分からない人や、医療費や介護費への不安が大きい人は、65歳から受け取って手元資金を厚くするほうが安心な場合もあります。
 
また、65歳から66歳までの間に障害給付や遺族給付を受ける権利があると、繰下げの申し出ができないケースもあります。制度上できるかどうかだけでなく、自分の体調や家族の状況、退職時期まで考えたうえで判断することが大切です。年金額が増えるという一点だけで決めるのは危険です。
 

家計全体で考えることが大切

繰下げ受給は、長く働く人に向いている面があります。1ヶ月ごとに年金が増えるので、老後後半の安心につながりやすいからです。ただし、待っている間の未受給分があること、加給年金や振替加算には不利な面があることを考えると、誰にでもおすすめできる方法ではありません。
 
大切なのは、「働くから繰下げる」のではなく、「家計全体で見て、自分に合うか」で決めることです。
 
生活費を今必要とするのか、夫婦の年金全体ではどうなるのか、何歳ごろまで働くつもりなのかを整理すると、答えが見えやすくなります。迷うときは、ねんきんネットや年金事務所で見込み額を確認しながら考えると判断しやすいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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