母が他界しました。父も3年前に亡くなっているのですが、ひとり息子の私は遺族年金を受け取れますか?
CFP(R)認定者
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
蟹山FPオフィス代表
大学卒業後、銀行勤務を経て専業主婦となり、二世帯住宅で夫の両親と同居、2人の子どもを育てる。1997年夫と死別、シングルマザーとなる。以後、自身の資産管理、義父の認知症介護、相続など、自分でプランを立てながら対応。2004年CFP取得。2011年慶應義塾大学経済学部(通信過程)卒業。2015年、日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。2016年日本FP協会、広報センタースタッフ。子どもの受験は幼稚園から大学まですべて経験。3回の介護と3回の相続を経験。その他、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー等の資格も保有。
遺族年金の制度
遺族年金は、公的年金に加入している人やすでに年金を受け取っている人が亡くなったときに、その人に生計を維持されていた遺族の生活を支えるために支給される年金です。
公的年金の遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがあり、それぞれ受給できる人の条件が異なります。
1. 遺族基礎年金
遺族基礎年金を受け取れるのは、亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」と「子」のいずれかとなっています。
ただし、ここでいう「子」には年齢制限があり、原則として18歳になった年度の3月31日まで、つまり高校を卒業する年齢までの子が対象です。障害年金の1級または2級の障害状態である子については20歳未満という例外がありますが、この年齢を過ぎると遺族基礎年金を受け取ることはできません。
18歳未満の子がいて、遺族基礎年金を受け取っている場合も、子が18歳(または20歳)になった年度の3月を過ぎると、支給が打ち切られます。
2. 遺族厚生年金
会社員など厚生年金に加入していた人が亡くなったときは、遺族厚生年金を受け取れる可能性があります。受け取るのは、亡くなった人に生計を維持されていた、以下の遺族のうち最も優先順位の高い人です。なお、遺族基礎年金を受給できる遺族は、あわせて受給できます。
(1)子のある配偶者
(2)子
(3)子のない配偶者
(4)父母
(5)孫
(6)祖父母
ここでも、遺族基礎年金と同じように、子は18歳になった年度の3月31日まで、障害年金の1級または2級の障害状態の場合は20歳未満でいう年齢制限があります。
成人した子は遺族年金を受け取れない
子が遺族年金を受け取れるのは、原則として高校を卒業するまでです。また、先に他界した父の遺族年金を母親が受け取っていて、母親も公的年金に加入していた場合でも、父親の遺族年金と母親の遺族年金の両方を受け取ることはできません。
したがって、どちらかを選んで受け取ります。どちらを選ぶにしても、受け取れるのは18歳になった年度の3月末までです。
実は、質問者は大学生ということでした。まだ収入がないうえに学費も必要となるでしょうが、障害状態ではないということですので、残念ながら遺族年金を受け取ることはできません。奨学金の利用やアルバイト収入、両親が残してくれた財産の取り崩しなどで、卒業して就職するまでの期間を乗り切ってほしいと思います。
成人していても「未支給年金」があれば受け取れる
遺族年金が受け取れなくても、「未支給年金」があれば遺族が受け取ることができます。
未支給年金とは、年金を受けている方が亡くなったときに、まだ受け取っていない年金や亡くなった日より後に振り込みされた年金です。年金は、偶数月に2ヶ月分まとめて、例えば4月・5月分は6月に振り込まれます。そのため、1~2ヶ月分の未支給年金があることが多いのです。
受け取れる遺族は、(1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母 (6)兄弟姉妹などで、生計を一にしていたという条件があります。質問者も亡くなった母親が遺族年金を受け取っていた場合、ひとり息子ということなので、未支給年金を受け取ることができるでしょう。
まとめ
遺族年金を子が受け取ることができるのは、18歳(障害年金の1級または2級の状態にあるときは20歳)になった年度の3月までとなっています。その年齢を過ぎてからは、親の遺族年金を受け取ることはできません。
シングルマザーになってしまったら、生活はそれまでより苦しくなるかもしれません。それでも、自分に万一のことがあったときに、子どもが希望する進路を経済的な理由であきらめることがないよう、備えを考えることが重要です。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
執筆者 : 蟹山淳子
CFP(R)認定者