再雇用の給料と年金を合わせて「月52万円」もらっている父。「50万円」を超えると年金が減額されると聞いたのですが、本当でしょうか?

配信日: 2026.04.28
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再雇用の給料と年金を合わせて「月52万円」もらっている父。「50万円」を超えると年金が減額されると聞いたのですが、本当でしょうか?
定年後に働き続ける場合は、年金と仕事の給与の両方を得られますが、働き方によっては年金が減額される可能性がある点に注意が必要です。「在職老齢年金」制度により、本来もらえるはずの年金の一部が支給停止になる可能性があるからです。
 
本記事では、「在職老齢年金」の概要、また再雇用に関連して利用できる「高年齢雇用継続給付」について解説します。
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「在職老齢年金」の概要

「在職老齢年金」とは、60歳以降に老齢厚生年金を受給しながら働く人を対象に、一定額以上の収入があると年金受給額を減額する制度です。減額される対象年金は「老齢厚生年金」であり「老齢基礎年金」は支給が停止されません。
 
減額の基準となる「一定額」とは、「65万円超かどうか」です。年金受給額と月収などを合わせた合計額が65万円を超えてしまうと、本来受給できる年金がカットされます。
 

月収「52万円」だと年金は減らされる?

支給停止額の計算は、以下の式で行います。
 
支給停止額(月額)=(基本月額+総報酬月額相当額-65万円)×1/2
 
「基本月額」は加給年金額を除く老齢厚生年金の年額を12で割った額で、「総報酬月額相当額」は毎月の賃金と直近1年間の賞与を合計し、12で割った額です。
 
今回のケースでは、定年後に再雇用された父親が、年金と合わせて月52万円の収入を得ています。仮にこの額が「基本月額+総報酬月額相当額」だとすると、合計額は65万円以下のため、年金は全額支給されます。したがって、支給停止額は0円となります。
 

2026年4月から基準額が上がる

高齢者が働きながら年金を受給しやすくするため、在職老齢年金の支給停止額は、2026年3月まで51万円でしたが、制度改正により2026年4月から「65万円」に引き上げられました。
 
基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超えないかぎり、老齢厚生年金は支給停止されません。今回のように、これまで支給停止の対象となっていた人でも、改正後は年金が全額支給されるケースが増えると考えられます。
 

「高年齢雇用継続給付」を受けている場合

定年後に再雇用されたものの、以前より給与が大幅に下がってしまう場合は、「高年齢雇用継続給付」を受給できる可能性があります。この制度は、雇用保険の給付項目の一つです。
 
具体的には、「60歳到達時点よりも賃金が75%未満に低下した状態の60歳以上65歳未満の労働者」を対象に給付が行われます。制度の目的は、65歳までの雇用継続を援助・促進することです。
 
同制度では、賃金の低下率に応じて支給率が決まります。2025年4月1日以降に支給要件を満たす人の場合、賃金低下率が64%以下であれば各月の賃金の10%、64%超75%未満であれば10%未満の給付が行われ、75%以上では支給されません。なお、2025年3月31日以前に支給要件を満たした人には経過措置があります。
 
仮に、ある労働者の給料が再雇用後に4割下がってしまった場合、賃金低下率は64%以下であるため、賃金の低下率10%が支給されます。ある月の賃金が30万円であれば、3万円です。
 
注意点は、高年齢雇用継続給付を受け取ることができると、在職老齢年金による支給停止に加えて、年金の一部がさらに支給停止されることです。支給停止される額は、最高で賃金(標準報酬月額)の4%相当となります。
 
この仕組みは、高年齢雇用継続給付と年金の調整を行うためのものです。在職老齢年金と同様に年金の一部が支給停止される場合がありますが、支給停止の仕組みや計算の考え方は異なるため、同じように扱わないよう注意が必要です。
 

年金が減る収入ラインを確認しよう

年金とは別に給与収入がある場合、2026年4月以降は、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超えると、支給停止の対象になります。今回のケースでは、4月以降の基準額の引き上げにより、支給停止の対象外です。
 
在職老齢年金や高年齢雇用継続給付の詳細を知りたい場合は、年金事務所や日本年金機構の相談窓口で確認しましょう。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
厚生労働省 雇用保険と年金の併給調整について
厚生労働省 令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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