夫の年収は高かったのに、遺族年金は思ったほど多くありませんでした。遺族厚生年金って、どんな計算で決まるのでしょうか?

配信日: 2026.05.21
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夫の年収は高かったのに、遺族年金は思ったほど多くありませんでした。遺族厚生年金って、どんな計算で決まるのでしょうか?
「夫は長年会社員として働いていて、年収も高かったのに、遺族年金は思ったより少なかった…」と感じる人は少なくありません。遺族厚生年金は、亡くなった人の収入が高ければ必ず多くなるわけではなく、加入期間や年齢など、複数の条件をもとに計算されます。そのため、年収だけを見て金額を想像すると、実際との差に驚くこともあります。
 
また、遺族厚生年金は「夫がもらっていた年金額をそのまま引き継げる制度」ではありません。計算方法には一定のルールがあり、加入期間が短い場合などは、想像より少なくなるケースもあります。老後資金を考えるうえでも、仕組みを理解しておくことは大切です。
 
この記事では、遺族厚生年金の基本的な仕組みや計算方法、年収が高くても金額が増えにくい理由について、分かりやすく解説します。
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遺族厚生年金は「給与」ではなく「加入実績」で決まる

遺族厚生年金は、亡くなった人が会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合に、配偶者や子どもなどの遺族に支給される年金です。
 
「年収が高かったなら、遺族年金もかなり多くなる」とイメージする人もいますが、実際は年収だけでは決まりません。大きく影響するのは、厚生年金の加入期間です。
 
例えば、年収800万円で働いていた人でも、厚生年金の加入期間が10年程度なら、遺族厚生年金はそれほど高額にならない場合があります。一方で、年収500万円前後でも、40年以上厚生年金に加入していた人なら、比較的多く受け取れることもあります。
 
つまり、短期間だけ高収入だった人よりも、長く安定して加入していた人のほうが、年金額が増えやすい仕組みになっています。
 
また、賞与や残業代なども一定程度は反映されますが、現役時代の手取り収入がそのまま基準になるわけではありません。そのため、「夫の給料が高かったのに思ったより少ない」と感じるケースが出てくるのです。
 

遺族厚生年金はどんな計算方法で決まる?

遺族厚生年金は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分のおよそ4分の3が支給される仕組みです。報酬比例部分とは、現役時代の給与や賞与、加入期間などをもとに計算される年金部分を指します。
 
簡単に言えば、「夫の厚生年金の報酬比例部分の一部を、遺族が受け取る」というイメージです。ただし、全額ではなく、基本的には4分の3になります。
 
例えば、夫の老齢厚生年金の報酬比例部分が年間120万円だった場合、遺族厚生年金は年間約90万円になります。
 
さらに、加入期間が短い場合でも、300月(25年)加入したものとして計算される特例があります。ただし、この特例があるからといって必ず高額になるわけではありません。実際には、平均標準報酬額や加入期間など細かな条件も関係するため、個人差があります。
 
また、公的年金には複数の年金を同時に満額受け取れない仕組みがあるため、自分自身の老齢厚生年金を受け取る年齢になると、年金の組み合わせによって一部調整される場合があります。
 

年収が高くても遺族厚生年金が少なく感じる理由

遺族厚生年金が少なく感じる理由の一つは、現役時代の収入と比較してしまうことです。
 
例えば、配偶者の年収が900万円あった家庭では、毎月の手取り収入も高かったため、遺族厚生年金だけで同じ生活水準を維持するのは難しくなります。遺族厚生年金は生活水準を維持するための制度ではなく、遺族の生活を支える公的保障の一つだからです。
 
また、会社員時代の高収入が晩年だけだった場合も、年金額はそれほど増えないことがあります。年金は長期間の平均的な給与をもとに計算されるため、数年間だけ年収が上がっても、大幅に増えるわけではありません。
 
さらに、自分自身の老齢年金を受給するようになると、受け取れる年金の組み合わせによっては調整が行われる場合があります。制度を正しく理解していないと、「思っていたより少ない」と感じやすくなります。
 
そのため、遺族厚生年金だけに頼るのではなく、生命保険や貯蓄、退職金なども含めて家計や老後資金の備えを考えておくことが大切です。特に住宅ローンや教育費など固定費が多い家庭では、早めに家計を確認しておくと安心につながります。
 

遺族厚生年金は事前に仕組みを知ることが大切

遺族厚生年金は、亡くなった人の年収だけで単純に決まる制度ではありません。厚生年金の加入期間や平均的な給与、受給する側の状況など、さまざまな条件によって金額が変わります。
 
そのため、「高年収だったから遺族年金も十分あるはず」と考えていると、実際の支給額との差に戸惑うことがあります。特に、生活費の大部分を夫の収入に頼っていた家庭では、事前に制度を理解しておくことが大切です。
 
不安がある場合は、日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用すると、おおよその年金見込み額を確認できます。早めに把握しておけば、必要な貯蓄額や保険の見直しもしやすくなります。
 
遺族厚生年金は、万が一の際に家族の生活を支える重要な制度です。仕組みを正しく理解し、将来に備えて準備しておくことが、安心につながるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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