更新日: 2023.09.06 iDeCo(確定拠出年金)

確定拠出年金(iDeCo)のデメリットって? 始める前に知っておきたい注意点とは

執筆者 : 飯田道子

確定拠出年金(iDeCo)のデメリットって? 始める前に知っておきたい注意点とは
確定拠出年金(iDeCo)にはいくつか注意点があります。始める前に理解して、利用するべきかどうかじっくりと考えましょう。
 

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飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

確定拠出年金(iDeCo)ってそもそもなに?

簡単にいえば、自分で作る年金のことです。国が認めた金融商品から投資する商品を選び、自分で運用していきます。年金なので、受け取れるのは60歳以降です。年金もしくは一時金、いずれかの受け取り方を選べます。

・個人型と企業型の違い

確定拠出年金(iDeCo)には個人型と企業型の2種類があります。個人型は自ら金融機関を選択し掛け金を拠出、運用商品を選んで運用していきます。加入できるのは、基本的に自営業者や主婦、企業に勤めていない人等です。
 
一方の企業型とは企業が毎月一定金額を拠出し(一部従業員が負担するケースもあり)、加入者である個人・従業員が自ら商品を選び、運用していくというものです。加入できるのは確定拠出年金制度に加入している企業の従業員のみ。公務員や主婦や自営業者は加入できません。

・確定給付年金ってなに?

確定給付年金という名の通り、確定した年金なのですが、確定しているのは将来受け取ることのできる給付額です。よく比較される公的年金の場合、物価スライド制といって、受給時の景気や社会情勢等を鑑みて給付額が決まります。
 
ここで混乱してしまいがちなのが確定拠出年金と確定給付年金です。確定拠出年金は掛け金が確定しているだけで将来、いくら給付金を受け取ることができるかわかりません。運用次第で変わってくるということです。公的年金と似ていますね。
 

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確定拠出年金(iDeCo)の注意点とは?

それでは確定拠出年金(iDeCo)を始める前に知っておきたいことを解説していきます。

・60歳まで引き出せない

そもそも確定拠出年金(iDeCo)は、将来、受け取る公的年金の年金額の上乗せを目的とした商品です。そのため、急にお金が必要になっても60歳までは引き出せません。つまり、いくら運用がうまくいって残高が増えていたとしても、「今」使うことはできないのです。

・年金額が減る可能性

既にお話ししているように、確定拠出年金(iDeCo)は自分で投資先を選んで運用をしていきます。まさに自助努力が必要な商品です。そのため、定期的にチェックをしなければよい運用成績をあげることは見込めません。放っておくと、将来受けることのできる給付年金額が減ってしまう可能性もあります。

・手数料・管理コストがかかる

そして忘れてならないのが各種手数料や管理コストの存在です。個人型年金規約に基づいて、確定拠出年金(iDeCo)の実施者である国民年金基金に対し手数料の負担が必要です。手数料には3つの種類があります。
 
<加入・移換時手数料(初回1回のみ):2829円>
加入時または移換時に手数料として2829円1回負担します。
 
<加入者手数料(掛け金納付の都度):105円>
掛け金納付する都度105円(毎月1回)負担。毎月の掛け金から差し引かれます。
 
<還付手数料(その都度):1048円>
国民年金の未納月が判明した等の場合で、掛け金を加入者に戻す必要があるときには、還付金額から1048円を差し引かれ返還されます。
 
なお確定拠出年金(iDeCo)では、口座の管理手数料が必要になります。
 
<資産管理手数料:年間792円>
毎月の掛け金から差し引かれるもので、預けた掛け金を管理してくれる信託銀行に支払います。
 
<運営管理手数料:金融機関によってことなる>
窓口となる金融機関に支払う手数料。金融機関との取引状況等によって割引になったり、無料になったりすることもあります。

・解約できない

繰り返しになりますが確定拠出年金(iDeCo)は、将来、年金として受け取るためのものです。したがって60歳までは解約できません。

・転職・退職時には6ヶ月以内に手続きが必要

転職や退職をしたときには、加入者資格の喪失、および資産の移換の手続きが必要になります。
 
その場合には加入者喪失届に加入者の資格を喪失した理由および喪失年月日を証明する書類を添付して、運営管理機関にご提出。転職先の企業型確定拠出年金に移す、もしくは個人型に移す必要があり、6ヶ月以内に手続きする必要があります。
 

確定拠出年金(iDeCo)をやらないほうがいい人とは?

ここまでデメリットについて書いてきました。ここで考えてほしいのが、自分は確定拠出年金(iDeCo)に向いているのかどうかということです。
 
ズバリ確定拠出年金(iDeCo)に向いていない人とは、収入が不安定で毎月定期的に掛け金を捻出するのが難しい人、運用経験が豊富でわざわざ手数料等を払ってまで制限付きの運用をしたくない人等です。
 

確定拠出年金(iDeCo)のメリットとは?

確定拠出年金(iDeCo)の最大メリットは、節税に役立つということです。何といっても掛け金が全額所得控除されるため、所得税・住民税を抑えるのに役立ちますし、確定申告することで所得や掛け金に応じて還付を受けることも可能です。
 
また運用して利益が出た場合でも、運用益は非課税となります。したがって同じ金融商品で運用する場合では、確定拠出年金(iDeCo)で運用したほうが利益は大きくなります。
 

まとめ

確定拠出年金(iDeCo)の最大メリットは節税効果です。始める前に注意点を理解しておけば、より効果的に利用することができるでしょう。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト