更新日: 2019.11.06 その他年金
老齢基礎年金を繰上げ受給していても、年金生活者支援給付金は受けられるの?
この年金生活者支援給付金には、65歳からの老齢基礎年金の受給者を対象とした給付金がありますが、老齢基礎年金を65歳前に繰上げ受給した場合は給付金の支給はどのようになるのでしょう。
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
65歳前の老齢基礎年金の繰上げ受給
65歳から受給できる老齢基礎年金は65歳よりも前に繰上げ受給することも可能です。年金を早く受け取れる代わりに減額がされる制度ですが、60歳以降であれば、1ヶ月単位で繰上げが可能です。
1ヶ月繰上げるごとに年金が0.5%減額されることになり、60歳0ヶ月で繰上げ請求すると、60月(5年)繰上げになりますので、30%(0.5%×60月)減額されます。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
老齢基礎年金受給者向けの給付金
低所得者を対象とした福祉的給付金である年金生活者支援給付金のうち、老齢基礎年金受給者向けの給付金制度として、老齢年金生活者支援給付金と補足的老齢年金生活者支援給付金があります。
低所得者向けですので、【図表1】の所得要件にありますように、
(1)前年の年金収入とその他の所得について一定以下(老齢年金生活者支援給付金の場合は77万9300円以下、補足的老齢年金生活者支援給付金の場合は77万9300円を超え87万9300円以下)であることと
(2)市町村民税が非課税世帯であること
が支給の条件となっています。
また、所得要件だけでなく、【図表1】の基本要件も満たしていなければ支給されません。老齢年金生活者支援給付金、補足的老齢年金生活者支援給付金は65歳以上で現に老齢基礎年金を受給している人が対象となっています。
老齢基礎年金を繰上げ受給している人については、老齢基礎年金を現に受給していても、まだ65歳になっていない場合、たとえ所得要件を満たしていても給付金は支給されません(【図表2】)。65歳から給付金の対象になります。
給付金の額については、繰上げした老齢基礎年金のような1ヶ月につき0.5%の減額はありません(【図表1】の計算式で計算されます)。
手続きが遅くなると給付金が受け取れないことも
老齢基礎年金を繰上げ受給中の人が65歳を迎える頃、給付金対象者には、日本年金機構から給付金請求用の請求書が送られてきます。
65歳になって3ヶ月以内に給付金の請求をすれば、65歳になった月(65歳の誕生日の前日がある月)の翌月分からの給付金が受け取れますが、65歳から3ヶ月を過ぎると、実際の請求月の翌月分からの支給となります。
手続きが遅れ、受け取れるはずだった給付金が受け取れない、ということもありますので、対象となる人は手続きを忘れないうちに早めに行う必要があるでしょう。
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー