ただし、e-Taxによる電子申告(以下、e-Tax)または電子帳簿保存を行った場合には、引き続き65万円の控除が適用できるようになります。同時に、基礎控除の額について、現行の38万円から48万円に引き上げられることとなるため、「最大で113万円の所得控除が適用される」ようになるわけです。
つまり、この最大の所得控除を受けるための条件の1つが、「e-Tax」の利用ということです。
実際には、2020年分の所得税からの適用となりますので、2年後と少し先となりますが、現在e-Tax未利用の方のために、必要となるものを確認してみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
e-Taxを利用するために必要となるもの
(1)e-Taxを利用するためのパソコン
当然ながらe-Taxを行うパソコンが必要です。基本的には、ここ数年で購入したパソコンであれば利用に問題はないと思われますが、詳細なハードウェア環境や必要スペックなどについては、別途ホームページなどで確認してください。
ただし、PDF閲覧ソフトとして、Adobe Reader(無料)が必要となりますので、必要であればインストールしてください。
(2)マイナンバーカード
e-Taxでは、データ作成者が本人であるかの確認をするために「電子証明書」を使います。
少し前までは、電子証明書を格納した「住民基本台帳カード」を使用していましたが、現在は、マイナンバーカードを利用しています。ご承知とは思いますが、「マイナンバー通知カード」ではなく、市・区役所が発行する「マイナンバーカード」が必要です。
カード発行には一定の期間を要しますので、確定申告時期より前に作成しておくことをおすすめいたします。
(3)ICカードリーダライタ
マイナンバーカードに格納された電子証明書を読み取るために、「ICカードリーダライタ」が必要となります。USB接続で利用できるものが、インターネットや家電量販店などで3000円程度で入手できます。注意点としては、公的個人認証サービスに対応している製品を選択する必要がある点です。
※2019年1月からスマートフォンやタブレットからもe-Taxが利用できるようになりました。その場合には、新たな「ID・パスワード方式」を利用するため、ICカードリーダライタは不要となります。
(4)必要なソフトウェアのインストール
e-Taxを利用するために、「ルート証明書」「公的個人認証サービス利用者クライアントソフト」「署名送信モジュール」などのソフトウェアをインストールします。
また、初めてマイナンバーカードを利用する場合は、電子証明書をe-Taxソフトに登録する必要があります。必要となるソフトウェアを同時にインストールできる「事前準備セットアップ」ファイルを利用すると便利です。
(5)e-Taxの利用開始届出と利用者識別番号の取得
e-Taxを利用開始するために、届出をe-Taxのサイトからオンラインで行います。正常に完了すると、16桁の利用者識別番号が取得されます。この利用者識別番号は、ログインの際に使用されます。
(6)「確定申告書等作成コーナー」などでデータ作成、送信
国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」などでデータを入力、作成し、e-Taxで電子申告を行います。
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まとめ
いかがでしょうか? 初めてe-Taxを利用してみようと思われた方にとっては、少し複雑で面倒だなと感じられたかもしれません。
しかし、一度必要なハードウェア、ソフトウェアの環境を整えてしまえば、それ以降は自宅から簡単に電子申告ができるようになります。2020年分からの青色申告特別控除額の改正に向けて、今年からe-Taxにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
出典
e-Taxホームページ