私たちの暮らしはどう変わる? 2021年度税制改正のポイント

配信日: 2021.03.12

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私たちの暮らしはどう変わる? 2021年度税制改正のポイント
私たちの暮らしにとって税金はとても身近な存在です。そんな税金にまつわる制度が2021年度改正される予定です。2021年度の税制改正が私たちの暮らしにどう影響するのか、財務省のパンフレット「令和3年度税制改正(案)のポイント」を基に解説します。
※この記事は2021年3月3日時点の情報を基に執筆しています。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

個人の所得税に関する改正

多くの方にとって関心が高いと思われるのが、所得税にまつわる改正です。2021年度の税制改正において所得税に影響するポイントとしては、主に次のようなものがあります。
 

住宅ローン控除特例の延長

住宅ローン控除の期間は通常10年とされているところ、一定の要件を満たすことで最大13年間の控除を受けられるという特例があります。この特例は2021年3月31日までとされていましたが、一定の期間に契約しており、かつ、2022年12月末までに住宅に入居した場合は特例の対象となるよう適用期間が延長される予定です。
 
同時に面積要件も緩和され、所得金額1000万円以下であれば、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅も対象になります。詳細については下記の図をご参照ください。
 

出典:財務省 「令和3年度税制改正(案)のポイント」
 

国や地方自治体が実施する子育てに係る助成などの非課税措置

ベビーシッターや認可外保育園といった子育てに係るサービスや施設を利用した場合、自治体などから一定の助成金の交付を受けられることがあります。この助成金は通常、雑所得となるため課税の対象ですが、一部の世帯を中心に負担となっているという現実がありました。
 
そこで、次のような子育てに係る施設・サービスの利用に関する助成金について、課税対象外となるように改正が進んでいます。
 

●認可外保育園などの利用料に対する助成
●一時預かりや病児保育など子どもを預ける施設の利用料に対する助成
●ベビーシッターの利用料に対する助成
●上記と一体として行われる助成(生活支援・家族支援、保育施設の副食費など)

 

セルフメディケーション税制の延長

健康の維持増進や疾病の予防のために一定の取り組みをしている方が、対象となる医薬品を年間1万2000円以上購入した場合、1万2000円を超える部分(上限10万円)について所得控除を受けられるセルフメディケーション税制という制度があります。
 
セルフメディケーション税制は本来、2021年12月末までとされていましたが、2026年12月末まで延長される方針で話が進んでいます。
 
また、対象の医薬品についてより効果的なものに重点を置くほか、確定申告時に一定の取り組みを証明する書類(医療機関の領収書や健康診断の結果通知書等)の添付や提示が不要になるなど手続きも簡素化される予定となっています。
 

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について、2021年4月以降、非課税枠が最大1500万円まで引き上げられる予定です。さらに、合計所得金額が1000万円以下の方への適用については住宅の面積要件を緩和し、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満である住宅にも適用できるよう調整が進められています。
 

教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し

結婚や出産、育児にかかる資金や、子どもの教育資金を祖父母などから援助してもらう場合に贈与税を非課税とする特例措置が、2023年3月末まで2年延長される方針です。しかし、一定の場合には贈与者死亡時に受け取ったお金の残高を相続税に加算するなど、一部の要件が厳しくなる見込みです。
 

2021年度税制改正は子育て世代を中心に暮らしをより良い方向へ進めます

2021年度の税制改正がこのまま進めば、子育て世代を中心に税負担が軽くなっていきます。この改正によって特例措置や減税措置の対象となり、暮らしが楽になるという家庭が増えることが予想されます。
 

特に住宅を購入したり、住宅や子育てに関する支援を受ける予定がある場合、今回の税制改正による影響は大きいものになります。引き続き、税制改正の動向を注視しておくようにしてください。
 
出典 財務省 「令和3年度税制改正(案)のポイント」
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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