親や知り合いからもらったお小遣い、贈与税を支払う必要がある? 支払わなかったらどうなるの?
配信日: 2022.04.14
しかし、もらった金額によっては贈与税の申告が必要であり、万が一申告しなかったことがバレてしまったら、延滞税などのペナルティーが発生する可能性があります。
本記事では、贈与税とは何か、申告をしなかった場合に課せられるペナルティーなどを詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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贈与税とは
贈与税とは「個人から財産をもらったときにかかる税金」のこと。課税方法は大きく分けて「暦年課税」「相続時精算課税」の2種類があります。
暦年課税は、1月1日から12月31日までの1年間に、贈与によりもらった財産の金額から、基礎控除額110万円を差し引いた残りの金額に対して贈与税がかかります。
したがって、知り合いからもらった財産が1年間で110万円以下なら贈与税はかからず、申告の必要もありません。
次に、相続時精算課税は、贈与を受けたときに、一定の税率か特別控除額で贈与税の計算を行い、贈与者が亡くなったときに「相続税」で清算する制度のことをいいます。
では、もう少し詳しく、贈与税(暦年課税)についてみていきましょう。
一般贈与財産
一般贈与財産とは、兄弟間や夫婦間、親から子への贈与で、子どもが未成年者の場合などに該当します。
【図表1】
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1500万円以下 | 45% | 175万円 |
3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
基礎控除後の課税価格が、200万円以下から3000万円超で、税率・控除額が8段階に分かれています。
特例贈与財産
特例贈与財産は、祖父母や父母などの直系尊属から、18歳以上の子どもや孫への贈与を指し、贈与税の計算が一般贈与財産と異なります。
【図表2】
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | – |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1000万円以下 | 30% | 90万円 |
1500万円以下 | 40% | 190万円 |
3000万円以下 | 45% | 265万円 |
4500万円以下 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |
こちらも、一般贈与財産と同じで8段階に分かれていますが、基礎控除後の課税価格区分が4500万円超まであります。また、贈与額が高額の場合、特例贈与財産の方が贈与税は少なくなります。
贈与税の申告をしなくてもばれない?
贈与税は、無申告でもバレないと思う人は少なくないでしょう。しかし、税務署は課税に結びつく多くの情報を調査できる権限を持っています。
もし、贈与を受けたお金で不動産や株式など、大きな買い物をしたときに、その人が贈与税の申告をしていなかったら「そのお金はどうやって手に入れたのか?」と税務署は疑問に思うでしょう。
調査の結果、贈与税の申告が必要だと判断されたら、ペナルティーが課されるため注意が必要です。
この項では、贈与税の無申告で課せられるペナルティーについて解説します。
延滞税
延滞税とは、定められた期限までに税金を納付しない場合に課せられる税金です。支払いが遅れた分に掛かる利息と考えると、分かりやすいかもしれません。
●納付期限の翌日から2ヶ月以内:「年7.3%」か「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合
●納付期限の翌日から2ヶ月を過ぎた場合:「年14.6%」か「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合
納付期限を1日でも過ぎると延滞税が掛かりますが、2ヶ月を過ぎると税率が大きく変わります。
無申告加算税
無申告加算税は、期限までに申告がなかったことに対するペナルティーとして課される税金です。申告者の状況によって、課される税率が変わってきます。
●自主的に申告した場合:5%
●税務調査の通知を受けてから調査が入る前に申告した場合:50万円までは10%、50万円以上は15%
●税務調査を受けた後に申告した場合:50万円までは15%、50万円以上は20%
確定申告をし忘れた場合にも税金が課されるため、申告は必ず期限内に行いましょう。
重加算税
重加算税は、意図的に偽装や隠蔽(いんぺい)しようとした、または贈与税を過少申告したと税務署が判断した場合に課せられるペナルティーです。
●無申告の場合:40%
●過少申告の場合:35%
贈与税の申告が必要であることを分かっていて意図的に隠す、または過少申告した場合、悪質だと判断されれば懲役刑に課される可能性もあるでしょう。
親や知り合いから大金をもらう場合は、贈与税がかかる可能性も考えること
お年玉や、たまに遊びに行ったときにもらうお小遣いは、金額的に贈与税が掛かることは一般的には考えにくいです。
しかし、住宅や貴金属など高額なものを購入するためのお金を、親や祖父母、知り合いからもらった場合は、「贈与税」が掛かるかもしれないと考えましょう。
贈与税の申告を忘れて税務調査が入れば、大きなペナルティーを課されるかもしれません。たとえ知らなかったとしても、延滞税や無申告加算税、悪質だとみなされたら重加算税が掛かる可能性もあります。
贈与税で大きなトラブルにならないためにも、正しい知識を身につけることが大切です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.9205 延滞税について
国税庁 延滞税の計算方法
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2024 確定申告を忘れたとき
国税庁 加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員