更新日: 2022.05.16 控除
子どもの治療メガネや歯列矯正は医療費控除の対象。金銭面の負担が減らせるかも?
医療費控除は節税対策として有効な手だてです。ただ、すべての医療費が医療費控除の対象となるわけではありません。
今回は、医療費控除の概要や計算方法、実際にどのようなものが医療控除の対象となるかを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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医療費控除とは
1月1日~12月31日の1年間に、本人もしくは生計を同一にする配偶者や親族が支払った医療費が一定の金額を超える場合、医療費を基に計算した金額を、医療費控除として所得金額から差し引くことが可能です。
医療費が未払いの場合は、実際に支払った年に医療費控除の対象になります。医療費控除の計算式は
実際に支払った医療費の合計-保険金によって補てんされる金額-10万円
です。
保険金によって補てんされる金額は、医療保険から支給される入院や手術の給付金、健康保険などから支給される高額療養費や出産育児一時金などが該当します。
なお、1年間の総所得金額が200万円に満たない場合は、10万円の代わりに総所得金額の5%が引かれます。医療費控除の限度額は200万円です。
歯科の治療やメガネの購入で医療費控除の対象になるのは?
歯科の治療で医療費控除の対象になる場合
歯科の治療において、その病状における一般的な治療費を大幅に超えない治療費は、医療費控除の対象になります。
歯の治療では、自由診療や高価な材料を使用した治療は治療費が高額になりがちです。金やポーセレンは一般的な治療に使われる材料として医療費控除の対象になります。
また、子どもの健全な発育の妨げとなる不正咬合(こうごう)の治療目的で行われる歯列矯正も、医療費控除の対象です。ただし、見た目を美しくするための歯列矯正は医療費控除の対象にはなりません。
メガネの購入で医療費控除の対象になる場合
一般的な近視や遠視の矯正のために購入するメガネは、医療費控除の対象になりません。ただし、医師の治療を受けるために直接必要な場合は、メガネも医療費控除の対象になります。
弱視や斜視などの子どもに対して、視力の発育を促すためにメガネを購入することを医師が指示する場合は、医療費控除の対象です。
なお、医師の治療に必要なメガネの購入であることを証明するため、所定の処方箋に病名と、治療が必要な症状を医師に記載してもらう必要があります。
子どもの通院に付き添う交通費も医療費控除の対象
通院のために利用した交通費も医療費控除の対象になります。
小さい子どもの場合は1人で通院できないので、付き添いが必要です。その際の付添人の交通費も医療控除の対象になります。
なお、医療費控除の対象になる交通費は、基本的に電車やバスの運賃で、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代は対象外です。
電車やバスの運賃は領収書が出ないことが多いので、通院した日を診察券などで確認し、かかった交通費を記録しておきましょう。
医療費控除の制度を利用して節税しよう
高額の医療費がかかった場合は、医療費控除の制度を利用することで、所得税を安くすることが可能です。
医療費控除の申請は確定申告で行います。1年間にかかった医療費を集計してまとめた医療費控除の明細書を作成し、所得税の確定申告書に添付して、所轄の税務署またはe-taxで提出しましょう。
なお、税務署から問い合わせが来る可能性があるため、領収書は確定申告後5年間保管しておく必要があります。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1122 医療費控除の対象となる医療費
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
国税庁 医師による治療のため直接必要な眼鏡の購入費用
国税庁 医療費控除を受ける方へ
国税庁 自家用車で通院する場合のガソリン代等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部