年金からも税金や社会保険料が引かれるって本当?

配信日: 2022.05.26

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年金からも税金や社会保険料が引かれるって本当?
なかなか老後の資金が貯まらず、年金を当てにして暮らすしかないな、と悲観している方も多いと思います。
 
しかし、年金が満額手元に支給されないケースがあります。年金は収入に該当し、所得としてみられてしまうからです。所得として扱われるということは、税金が課税されるということです。
 
同じく、社会保険料も納付しなければいけません。年金の受給額が支給額よりも減ってしまうのはどんな場合か、年金に影響する税金や社会保険料とは何かを解説します。
八木友之

執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

年金にかかる税金

年金にかかる税金は、所得税(復興特別所得税を含む)、住民税です。それぞれの詳細を紹介します。
 

所得税が課税されるケース

所得税は、収入が公的年金のみの場合、65歳未満の方は受給額が108万円を超える場合に、65歳以上の方は受給額が158万円を超える場合に課税されます。なお、これらの額は令和3年度の計算方法を参考にしています。
 
受給額が108万円と158万円を超えた方には、扶養親族等申告書が日本年金機構より届きます。扶養親族等申告書に必要事項を記入し日本年金機構へ提出をすると、配偶者控除や障害者控除などの所得控除が受けられるため、必ず提出しましょう。

図表1

 

住民税が課税されるケース

住民税は、各自治体によって課税されない年金収入の基準が変わります。
 
例えば東京都港区では、65歳以上で年金受給のみの方は年金収入が155万円を超える場合、65歳未満で年金受給のみの方は年金収入が105万円を超える場合に住民税が課税されます。どちらの計算も、住民税の所得控除を考慮せず計算しています。
 

年金にかかる社会保険料

年金にかかる社会保険料は、介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料です。それぞれの詳細を紹介します。
 

介護保険料が徴収されるケース

65歳以上の方のうち、老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金を受給している方であって、年金支給額が年18万円以上の方が徴収の対象になります。自治体がそれぞれ、介護保険料を決定しますので、お住まいの地域によって介護保険料は異なります。
 

国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料が徴収されるケース

65歳以上75歳未満の方のうち、老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金を受給している方であって、年金支給額が年18万円以上の方が国民健康保険料(税)の徴収対象になります。
 
また、75歳以上の方もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療保険制度に該当する方も、国民健康保険料(税)と同様の内容で徴収の対象となります。こちらも介護保険料と同じく、自治体によって保険料が異なります。

図表2

 

まとめ

年金は所得として扱われるため、収入金額によっては、所得税や住民税、介護保険料、国民健康保険料(税)か後期高齢者医療保険料が徴収されます。
 
年金は老後の大切な生活資金ですから、実際、税引き後の支給額がどれくらいになるのか各自治体に確認し、老後の計画を早めに立案していくようにしてください。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和3年度版)より 高齢者と税(年金と税)
港区 住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。
日本年金機構 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を天引きされるのはどのような人ですか。
 
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

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