更新日: 2022.12.05 年末調整

「年末調整」で戻ってくるお金を増やすために、今からできることはありますか?

「年末調整」で戻ってくるお金を増やすために、今からできることはありますか?
年末が近づいてくると、勤務先で「年末調整」のための用紙を配られる人が多くなります。必要な項目を正しく記入して、戻ってくるお金を増やすには、どうすればよいのでしょうか?
 
「年末調整」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年末調整とは?


「年末調整」はサラリーマン・公務員などの給与所得者が毎月の給与から引かれている所得税の金額をあらためて計算して、過剰に差し引いていた・足りなかった税金額を調整する制度です。
 
「控除(こうじょ)」とは、税を計算する時に決められた要件に当てはまる場合に、対象となる金額の合計から「一定額を差し引くこと」ができることを指します。年末調整は基本的に12月に行いますが、退職・死亡などの場合では年の途中で行います。
 

どんな書類を提出するの?

年末調整を行ってもらうには、主に以下の⑴から⑶の書類を記入して必要書類を添付し、勤務先が設定した期限内に提出するのが必要です。
 

⑴給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得を受け取っている人が、本人または生計を同じくする家族のことを記入する申告書です。「扶養控除」「勤労学生控除」「寡婦(かふ)控除」「ひとり親控除」「障害者控除」について記入します。
 

⑵給与所得者の保険料控除申告書

主に、年間に支払った保険料について記入する申告書です。「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」について記入します。「iDeCo」に加入している人は「小規模企業共済等掛金控除」に、1年間に積み立てた金額を記入します。
 

⑶給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

「基礎控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」「所得金額調整控除」について記入します。
 
「基礎控除」について、令和2年より所得金額が2400万円を超えると基礎控除金額が減少し、2500万円を超えると基礎控除額が無くなるという制限が設けられたため、この申告書に所得金額を記載します。
 
「配偶者控除」「配偶者特別控除」の項目には、配偶者の所得について記入します。(夫婦両方が配偶者控除を受けることはできないので、夫または妻のみが記入します)
 

⑷給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

住宅ローンを借りている人が2年目から提出する書類です。
 

年末調整できないものは、どんなもの?

年末調整ではなく、確定申告が必要な項目は「医療費控除(セルフメディケーション税制も含む)」「寄付金控除」などです。「ふるさと納税」を5ヶ所以上の自治体に行った人や、住宅ローンを利用し「住宅ローン控除」を初めて受ける場合にも確定申告が必要です。
 

年末調整の手続きで、忘れてはいけないことは?

まずは「必要な書類をなくさないこと」「勤務先への提出期限を守ること」が重要です。10月頃から年末調整に必要な「証明書類」が届きはじめます。自分の書類と併せて、扶養家族などがいる場合にはそれぞれの収入証明なども必要です。
 
遠方に扶養家族(勤労している学生など)が暮らしている場合などでは、すぐには収入証明書類が届かない場合も考えられます。そのため、自分の年末調整に必要な書類などが届きはじめたタイミングで、家族に対しても必要な提出書類を用意するよう連絡するようにしましょう。
 
年末調整の提出期限に間に合わなかった・年末調整しなかった場合は、個人で確定申告が必要です。確定申告にも遅れると、無申告課税などが発生する可能性もあります。雇用主が年末調整を行わなかった場合、雇用主に懲役や罰金といった罰則が科されます。
 
申請時期に必要書類が間に合わなかったり、記入を間違えたままで提出したりした場合など、いったん年末調整された金額を修正する場合は税務署に修正申告が必要です。
 

まとめ

毎年行う「年末調整」は、翌年に納める住民税や社会保険料などの金額を決定するために重要な手続きです。
 
書類の記入や添付書類を集めるなどの手間がかかりますが、金額計算などを間違えないように注意しながら記入し提出することで、毎月の給与から多く天引き(源泉徴収)されていた所得税の一部が戻ってきて、税を正しく納付することができます。早めに準備して、期限内に申請しましょう。
 

出典

国税庁 年末調整 給与所得者の方へ(令和4年分)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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