更新日: 2023.02.10 控除
税金の説明でよく見聞きする「基礎控除」って結局どういう意味? なぜ48万円なの?
基礎控除に関して「誰でも受けられるの?」「どうして48万円なの?」と疑問をもっている方もいるでしょう。
本記事では、基礎控除の定義や基礎控除の額が48万円の理由などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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基礎控除とは何か
基礎控除は、15種類ある所得控除の一種です。所得税は所得に関してかかる税金ですが、合計所得にただ所得税率を適用して所得税を算出すると、納税者の負担が重くなります。そこで、所得税にかかる税金は扶養親族が何人いるかなど納税者の個人的事情を加味して、無理なく納税できる額にしなければならないという考えに基づき、税負担を調整するよう制定されたのが所得控除です。
基礎控除は所得に応じて控除額が決まり、子どもや配偶者の有無は関係ありません。年間所得が2500万円以下の人が対象で、多くの人が適用される控除です。
基礎控除が48万円になった理由
かつて、基礎控除の額は38万円でした。しかし、2019年に施行された働き方改革によってさまざまな働き方を支援する観点から、2020年の確定申告より基礎控除が10万円引き上げられて48万円になりました。多様な形での収入稼得方法に適用するためです。
一方、給与所得者や公的年金受給者は基礎控除以外にも控除を受けられるため、税の公平性の観点から、給与所得控除と公的年金等控除が10万円引き下げられています。
48万円が控除されるのは所得2400万以下
48万円の基礎控除が適用になるのは、合計所得が2400万円までの方です。合計所得が2400万円を超えると基礎控除が徐々に減額されます。控除額は図表1のとおりです。
【図表1】
納税者の合計所得金額 | 基礎控除額 |
---|---|
2400万円以下 | 48万円 |
2400万円超2450万円以下 | 32万円 |
2450万円超2500万円以下 | 16万円 |
2500万円超 | 0円 |
出典:国税庁 No.1199 基礎控除
2020年までは基礎控除の所得制限はありませんでしたが、2020年より合計所得が2400万円を超える場合は基礎控除が減額されるようになりました。合計所得が2500万円を超えると、図表1のとおり基礎控除は適用されません。
基礎控除を受ける方法
基礎控除は、手続きを行わないと受けられません。給与所得者も自営業者も、何もしなければ所得全額に対して所得税率が適用されて、税金が計算されてしまいます。
ここでは、基礎控除を受ける手続きについて解説します。払いすぎた税金が返ってくることもあるので、必ず手続きを行いましょう。
確定申告を行う
確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間の所得を計算して申告し、所得税や住民税の額が決定される一連の手続きです。払いすぎた税金が返ってくるには、確定申告をしなければなりません。
会社で年末調整をする会社員でも、副業による所得が20万円以上ある場合は確定申告が必要になります。また、家賃収入や株による配当などで所得がある場合も副業に該当します。また、住宅ローン控除を初めて受ける年や、医療費控除を受ける場合なども確定申告が必要です。このほか、2000万円以上所得がある方も確定申告をしなければなりません。
確定申告は、毎年2月16日~3月15日までに提出します。個人事業主の方は、青色申告と白色申告の2種類がありますので、収入や事業形態に応じて適したほうを選びましょう。
年末調整で基礎控除申告書を提出する
2020年に基礎控除が38万円から48万円に引き上げられた際、年末調整に「基礎控除申告書」が新たに加わりました。それまでは所得金額にかかわらず、一律基礎控除は38万円でしたが、所得条件が加わったことで申告方法も変化しました。
会社員は年末調整として会社で行ってくれますが、毎年11月前後になると必要書類が配布されるので、必ず記載して提出しましょう。提出しないと基礎控除を受けられない可能性もあります。
基礎控除の内容を理解し正しく申告しよう
基礎控除は、所得が2400万円以下ならば48万円の控除を受けられる仕組みです。最も対象者が多いとされる控除ですが、確定申告や年末調整の基礎控除申告書を提出して、所得控除を受けましょう。
また、確定申告をすると払いすぎた税金が返ってくるメリットがあります。個人事業主の方はもちろん、会社員の方も確定申告の必要があるか確認をして、忘れずに確定申告を行いましょう。
出典
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 所得税のしくみ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部