更新日: 2023.02.17 控除
「マイホーム」を買った人は確定申告が必要? 初めて確定申告する会社員がすべきことを解説
この記事では、会社員が住宅ローン減税申告方法や必要書類について解説します。申告によるメリットも紹介しますので、マイホームを新築・増改築した人は参考にしてください。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
住宅ローン減税の申告方法
住宅ローン減税の申告方法は、初年度と2年目以降では異なります。
初年度は確定申告
住宅ローン減税の対象となるマイホームに入居した初年度分の申告は、その翌年に確定申告が必要です。確定申告は原則「翌年2月16日~3月15日」の間に行いますが、会社員で還付申告だけならば、申告期間は「翌年1月4日~3月15日」になります。
確定申告は税務署に行ったり郵送したりするだけでなく、オンラインでの申告(e-Tax)も可能です。
2年目以降は年末調整で申告
会社員の場合、2年目以降の住宅ローン減税の申告は、年末調整でできます。年末調整には、次の書類が必要です。
・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(税務署が交付)
・「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(借り入れ先の金融機関が毎年郵送)
住宅ローン減税に必要な書類
住宅ローン減税を初めて受けるときの確定申告では、さまざまな書類が必要になります。対象となる住宅の種類(新築や中古、増改築など)によって異なりますが、主なものは次の通りです。
・確定申告書
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・土地や家屋の登記事項証明書
・住宅の工事請負契約書の写し又は売買契約書の写し
・土地の売買契約書の写し及び土地の登記事項証明書 など
地方自治体の補助や「住宅取得等資金の贈与の特例」を受ける人、認定住宅として税額控除を受ける人などは、上記以外の書類も必要です。また、提出は不要ですが確定申告書に記載するために、マイナンバーが分かる書類や、源泉徴収票なども用意しておきましょう。
確定申告書や「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、税務署で交付を申請するか、国税庁のホームページなどで入手できます。
初めての確定申告は不安を感じるかもしれませんが、必要書類をきちんとそろえて税務署に持参すれば、相談窓口などで記入方法を案内してもらえます。相談を受けるには予約が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
申告による減税額
住宅ローン減税の計算方法は居住を開始した年度によって異なります。2022年度から2025年度の計算方法は次の通りです。
・控除額=年度末の住宅ローン残高×0.7%
年度末の住宅ローン残高が2000万円の場合、14万円の控除(所得税が14万円安くなる)が受けられます。ただし、控除額には上限が設けられていて住宅の区分と年度によって上限額は異なるので、国税庁のホームページなどで確認しましょう。
少しの手間をかけて住宅ローン減税を受けよう
住宅ローン減税を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。さまざまな書類をそろえて申請する手間がかかるものの、ローン残高に応じた少なからぬ所得税控除は魅力的なはず。確定申告に不安のある人は税務署が相談に乗ってくれますから、恐れず申告してみてください。
出典
国税庁 マイホームを持ったとき
国税庁 年末調整で(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受ける方へ
国税庁 No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級