「年収400万円」会社員でも確定申告したほうがお得?

配信日: 2023.02.26 更新日: 2023.02.27

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「年収400万円」会社員でも確定申告したほうがお得?
確定申告の時期が近づいても、特に会社勤めの場合には「自分には関係ない」と考える人もいるかもしれません。しかし、本当にそれでよいのでしょうか? 会社員であっても確定申告をすることで、所得税が還付される場合があります。
 
本記事では、年収400万円台のケースを例に、確定申告によって得になるのは どのようなケースかを解説していきます。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

会社員の平均給与は443万円

国税庁によると、1年を通じて勤務した給与所得者の2021年の平均給与は「443万円」となっていることから、今回は年収400万円台というケースをベースに考えます。ただ、年収による差は還付金の大小に影響するものであり、お得かどうかにはあまり関係しません。「年収400万円台だからお得」とは捉えないでください。
 

会社員が確定申告でお得になる理由

日本では毎年1月1日から12月31日までの所得に対する所得税を、「年末調整」または「確定申告」で精算する仕組みとなっています。会社員であれば会社が年末調整を行うため、基本的に確定申告の必要はありません。ただ、年末調整では受けられない控除もあるため、適用対象になる場合には、年末調整後であっても確定申告することで還付を受けることができます。
 

年末調整で受けられない控除

年末調整では対応してもらえない控除には、以下の3つがあります。

●医療費控除
●寄附金控除
●雑損控除

 

医療費控除

医療費控除では、1年間のうちに支払った医療費の合計が原則として10万円を超える場合、その超える部分の金額を所得から差し引くことができます。
 
医療費控除の金額=医療費の合計-保険金などで補てんされる金額-10万円
 
会社員が確定申告をする場合には、この医療費控除が主目的であることが一般的でしょう。入院や出産があった年も該当しやすくなります。年収400万円台で、医療費合計が10万円を超える場合には確定申告を検討してみましょう(先述のとおり、年収400万円台以外の人も当てはまります)。
 

寄附金控除

国や地方公共団体などに「特定寄附金」と認められる寄附をした場合には、以下の計算式で算出した金額を寄附金控除として所得から差し引くことができます。なお、子どもの大学入学に関する寄附金は控除の対象にならないため注意しましょう。
 
寄附金控除の金額=1または2のいずれか低い金額-2000円
1:その年の寄附金の合計額
2:その年の総所得金額等の40%相当額
 

雑損控除

雑損控除とは、災害や犯罪の被害にあったことによって損害を受けた場合などに適用を受けることができる所得控除です。雑損控除の金額は、以下のいずれか多い方の金額になります。

●(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-総所得金額等×10%
●(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

 

還付申告期間は確定申告期間ではない

還付を受けるために確定申告する場合の期間は、申告の対象となる年から5年間です。例えば、2022年分であれば2023年1月1日から2027年12月31日まで行うことができます。確定申告期間である毎年2月16日から3月15日とは別になる点に注意しましょう。
 

まとめ

今回は、どのようなケースに該当すると確定申告によってお得になるかを紹介してきました。本記事ではできるだけ具体的にイメージを抱きやすいよう年収400万円台を念頭に置いて解説しましたが、それ以外の所得水準であっても、どのような場合にお得になるかが変わるわけではありません。医療費控除、寄附金控除、雑損控除に該当する年は、忘れずに確定申告をして還付を受けるようにしましょう。
 

出典

国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)
国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
国税庁 No.2030 還付申告
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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