更新日: 2023.03.26 その他税金
車の税金の「減免制度」って?「エコカー減税」「グリーン化特例」「環境性能割」などについて解説
しかし、環境に優しい車を取得または所有していれば、税制面でさまざまな優遇が受けられ、納税額を抑えることが可能です。
本記事では、環境に配慮している車に優遇される税金制度について解説します。車の購入や買い替えを検討する際の参考にしてください。
執筆者:田邉史(たなべ ふみ)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
エコカー減税とは?
エコカー減税とは、排出ガス性能や燃費性能が優れている車に、性能に応じて「自動車重量税」を免税・減税する制度です。対象車は、電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車などです。2021年5月1日から2023年4月30日の期間に対象車を新規登録すると、図表1のような特例措置が受けられます。
天然ガス自動車は、2018年排出ガス規制に適合していなければなりません。
グリーンディーゼル車については、2020年度燃費基準達成の車両に限り、新車新規登録時に2030年度燃費基準を120%達成していれば、初回継続検査時も免税されます。
その他、ガソリン車やLPG車、ハイブリッド車は2020年度燃費基準達成の車に限り、図表1のように達成率に応じて税金が軽減されます。
新車の新規登録時に免税を受けた車は、初回の継続検査(車検)も免税されます。ただし、車検証の有効期間が満了するになる日から15日経過するまでに車検証の交付を受けた場合に限られます。
【図表1】
国土交通省 エコカー減税の概要
グリーン化特例とは?
グリーン化特例は、排出ガス性能や燃費性能の優れた車の「自動車税」や「軽自動車税」を軽減します。電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車が対象です。ただし、天然ガス自動車は2009年排出ガス規制NOxを10%以上低減している、または2018年排出ガス規制に適合している必要があります。
2021年4月1日から2023年3月31日までに新車新規登録を行った場合、翌年度分について特例措置が図表2や図表3のように適用されます。
グリーン化特例における自動車税については図表2、軽自動車税については図表3のとおりです。
【図表2】(自動車税)
国土交通省 グリーン化特例の概要
【図表3】(軽自動車税)
国土交通省 グリーン化特例の概要
自動車税環境性能割とは
自動車税環境性能割とは、自動車を取得した場合に燃費性能に応じて課税される税金です。2021年4月1日から2023年3月31日までに車を取得したとき、登録者は図表4、軽自動車は図表5のような特例措置が適用されます。
電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車は、無条件で非課税です。天然ガス自動車やクリーンディーゼル乗用車も対象となりますが、条件があるので注意してください。
天然ガス自動車は2009年年排出ガス規制NOx10%以上の低減または2018年排出ガス規制に適合していること、クリーンディーゼル乗用車は2009年排出ガス規制または2018年排出ガス規制に適合していることが条件となります。
ガソリン車やLPG車、ハイブリッド車は2020年燃費基準を達成している車に限られます。さらに、2005年排出ガス規制を75%低減または2018年排出ガス規制を50%低減していることが条件です。その上で、図表4や図表5のように、2030年度燃費基準の達成率によって課税率が変わります。
【図表4】(登録車)
国土交通省 環境性能割の概要
【図表5】(軽自動車)
国土交通省 環境性能割の概要
まとめ
エコカー減税とグリーン化特例、自動車税環境性能割は、うまく活用すれば自動車の取得や維持の費用が抑えられます。
対象車の要件がかなり細かく、分かりにくいのは確かですが、車の購入時には、その取得価格だけではなく、排気ガスや燃費の性能をチェックし、基準を満たしているかどうかしっかりと確認することが大切です。環境にも、そしてお財布にも優しい自動車ライフを送りましょう。
出典
国土交通省 エコカー減税の概要
国土交通省 グリーン化特例の概要
国土交通省 環境性能割の概要
執筆者:田邉史
二級ファイナンシャルプランニング技能士