更新日: 2023.06.23 控除

「住宅ローン控除」の最大控除額はいくら?年収1000万円でも控除の対象?

「住宅ローン控除」の最大控除額はいくら?年収1000万円でも控除の対象?
家の購入にあたり見逃せない優遇措置に、住宅ローン控除の存在があります。では、年収1000万円という高収入の方でも、住宅ローン控除は対象になるのでしょうか。
 
また、最大控除額はいくらになるのでしょうか。住宅ローン控除について確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

住宅ローン控除の概要

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでお金を借り入れて、マイホームの取得や増改築を取得し、その後一定期間までに居住することで最大13年間、毎年住宅ローンの残高の1%分所得税の控除を受けられるという制度です。住宅ローン控除は住宅ローン減税などと呼ばれることもありますが、正式名称は「住宅借入金特別控除」といいます。
 
住宅ローン控除の額は、ローン残高の1%であったものの、低金利が続いたことで控除額未満の低金利で住宅ローン控除を組めることも珍しくありませんでした。
 
しかし、それを利用し、本来であれば必要ではないほど過大な金額で、住宅ローン控除額の1%よりも低い利率で住宅ローンを組み、控除額と金融機関に支払う利息との差で利益を得る方が続出し問題となりました。
 
また、本来であれば住宅ローンの繰り上げ返済をできるという方でも、住宅ローン控除の適用を受けるために繰り上げ返済を控えるという方の存在も同様に問題となっていました。
 
このような、いわゆる「逆ザヤ」問題の存在を受け、令和4年1月1日以降に購入した住宅に入居した方に関しては、控除の率が0.7%に引き下げられました。あわせて、控除対象となるローン残高の上限も、4000万円から3000万円に引き下げられました。
 
なお、引き下げ後も、それ以前から居住している方には改正は影響がないのでご安心ください。
 

住宅ローンの最大控除額はいくらになる?

先に確認した通り、令和4年1月以降に購入し、令和5年12月31日までに入居した場合は住宅ローン控除による控除額が0.7%になります。
 
また、控除額を計算するにあたって住宅ローン残高の上限が3000万円に引き下げられています。そのため、令和4年以降における住宅ローン控除の最大控除額は21万円になります。控除額が引き下げられたとはいえ、まだまだ住宅ローン控除による控除額の存在は非常に大きなものといえます。
 
なお、令和6年以降は控除額を計算するにあたり、住宅ローン残高の上限が2000万円に引き下げられることになっています。すると、住宅ローン控除による最大控除額は14万円に引き下げられます。
 

住宅ローン控除は年収によって受けられないことがある?

住宅ローン控除は、年収により受けられないことがあります。具体的には合計所得金額が3000万円以下であることとされています。合計所得金額とは、勤務先から得る給与所得や副業から得る事業所得など、自身の全ての所得を合算した金額です。
 
例えば、会社からの給与以外に収入のないサラリーマンの場合、給料の額(源泉徴収される前の金額)から給与所得控除を引いた額が合計所得金額になります。
 
ここから考えると、年収1000万円であれば副業などで大きく収入を得ているような例外的な方でもない限り、問題なく住宅ローン控除の適用を受けることができます。なお、令和6年以降は合計所得金額が2000万円以下と要件が厳しくなります。
 

住宅ローン控除はまだまだ大きな恩恵の受けられる制度である

住宅ローン控除は「逆ザヤ」問題から最大控除額が最大21万円と引き下げられましたが、まだまだその恩恵は大きいです。年収1000万円であっても問題なく控除対象となるため、マイホームを購入する方はぜひとも検討すべき制度です。
 
もし、現在マイホームの購入を検討されている方や既にマイホームを購入されているという方は、住宅ローン控除をきちんと適用できるよう制度の詳細について確認しておくようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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