更新日: 2023.06.27 その他税金

特定空き家の固定資産税は高い! 特定空き家とは? 通常の空き家とどう違うの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

特定空き家の固定資産税は高い! 特定空き家とは? 通常の空き家とどう違うの?
現在、日本では空き家が増加傾向にあり、ニュースなどでも目にすることが多いでしょう。2015年5月には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、政府も空き家問題に取り組んでいます。中でも特に注意したいのが、「特定空き家」です。特定空き家とはどういうものなのか、固定資産税が高くなるのかなど、詳しくご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

特定空き家とは?

「特定空き家」とは、国土交通省が定める「空家等対策の推進に関する特別措置法」第2条で次のように定義されています。
 
「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等」
 
通常の空き家と異なる点は、周辺環境に影響を及ぼすほど建物の状態が悪く、管理もされていないというところでしょう。具体的には次のような状態です。
 

・倒壊の危険がある
・アスベストの飛散やゴミの放置による悪臭など衛生上、悪影響を及ぼしている
・周囲の景観を損なっている
・立木の枝が伸びて隣家の敷地まで達している
・動物がすみつき、ふん尿による被害が発生している

 
今後、これらの状態になることが予測される空き家も、特定空き家とみなされる場合があります。
 

特定空き家はどうやって決まる?

特定空き家を決めるのは、市町村などの自治体です。自治体は空き家の外観などから調査して、それでも詳しく分からない場合は、敷地への立ち入り調査などを行います。そのうえで、該当する空き家を特定空き家として認定します。
 

特定空き家の固定資産税が高い理由

所有している空き家が特定空き家に認定されると、さまざまなデメリットが発生します。代表的なデメリットは、固定資産税が通常よりも高くなることです。固定資産税は総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき、自治体が土地や家屋を評価します。この評価から資産価値に応じた課税標準額が決まります。
 
しかし、特定空き家に認定されてしまうと、住宅用地特例が受けられなくなり、結果的に固定資産税が増加するのです。
 
住宅特例措置とは、住宅用地の課税標準額を軽減するために設けられたもので、広さが200平方メートル以下の土地は価格の6分の1、200平方メートルを超える土地は超えた分の価格の3分の1になります。
 
特定空き家に認定されて住宅特例措置が受けられない場合でも、負担調整措置があるため、実際には固定資産税が6倍にはなりません。しかし、所有しているかぎり支払い義務のある固定資産税が高くなるのは避けたいところです。
 

特定空き家に対するペナルティー

自治体から特定空き家に認定されると、自治体から所有者に対して空き家の環境を改善するための助言や指導などが行われます。それでも改善がみられない場合、自治体から勧告され、住宅用地特例の優遇が外されて翌年から固定資産税が増加します。
 
一定の期間を過ぎてもまだ改善されないと、勧告よりも重い命令が下されます。これに従わない場合、最大50万円以下の過料が科される可能性が高くなります。
 
最終的には自治体側が行政代執行を行い、特定空き家を強制的に解体するなどの措置がとられます。金銭的にもかなりの負担になるため、特定空き家に認定されたら早い段階で改善するのがよいでしょう。
 

特定空き家の指定を解除してもらう方法

特定空き家の指定を解除してもらうには、自治体からの指導や助言に従い、すみやかに空き家の状態を改善することが必要です。特定空き家に指定されるとすぐにペナルティーを課されるわけではなく、一定の猶予期間があります。
 
空き家のどの部分が不適切でどう改善すればよいのか、自治体や専門家に相談するのがベストです。
 

空き家を保有している人は特定空き家にならないよう注意!

特定空き家を放置していると、周辺環境に悪影響を及ぼすだけでなく、固定資産税の増加や罰金などのペナルティーが発生します。空き家を所有しているけれど、遠方に住んでいるなどの理由で今の状態が分からないというケースもあるでしょう。特定空き家にならないためにも、空き家の管理はこまめに行うようにしましょう。
 

出典

国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法
e-GOV 法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法
政府広報オンライン 年々増え続ける空き家!空き家にしないためのポイントは?
総務省 固定資産税
国土交通省 「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

ライターさん募集