更新日: 2023.09.29 その他税金

なにかと薬局での出費が多い!セルフメディケーション税制を使うと「節税」できるって本当?

なにかと薬局での出費が多い!セルフメディケーション税制を使うと「節税」できるって本当?
風邪薬や湿布薬など、薬局で医薬品を購入している人も多いでしょう。なかには「薬局での出費が意外にかさむ!」と、お悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
 
実は、対象となる医薬品を購入した費用に関しては、「セルフメディケーション税制」を申請することで、所得控除を受けられます。そこで今回は、「セルフメディケーション税制」についてまとめました。上記の制度を利用することで、どれだけお得になるのかをみてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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「セルフメディケーション税制」とは

「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)」とは、特定の医薬品を購入した際にかかった費用に対して、所得控除を受けられる制度です。医療機関を利用した際にかかった費用に対しての控除が受けられる「医療費控除」は、10万円以上でないと申請できません。
 
しかし「セルフメディケーション税制」は、1万2000円から申請可能であり、限度額は8万8000円です。
 
対象商品は「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる薬で、多くの場合外装に「セルフメディケーション税控除対象」の共通識別マークが記載されています。申請書に記入して、2~3月頃に確定申告を済ませれば、申し込みは完了です。制度を申請するには、対象の医薬品を購入したときのレシートや領収書が必要となるため、毎回必ず保管しておきましょう。
 
ただし、セルフメディケーション税制を受けるには、「健康の保持増進および疾病の予防に関する一定の取り組みを行っている」などの条件があるため、注意してください。なお、セルフメディケーション税制と医療費控除の併用はできないため、どちらか費用が多くかかったほうで申請しましょう。
 

2022年に改正してさらに利用しやすくなった

セルフメディケーション税制は、2022年に改正されて、以前よりも利用しやすくなったといわれています。改正内容をみてみましょう。
 

●制度の適用期間が5年延長(2026年12月31日まで)
●税制対象医薬品がより効果的なものに変更(スイッチOTC医薬品から効果の薄いものを除外。スイッチOTC医薬品以外でも、効果が高いと考えられる商品を対象に追加)
●健康の保持増進への取り組みに関する書類の添付が不要(取り組み内容の明記は必要)

 
期間の延長や、対象の商品が改正されたことにより、制度の利用拡大が見込まれています。
 

薬局で対象医薬品を年間6万円購入したらいくら節税できるのか

では実際に「セルフメディケーション税制」を利用すると、いくら節税できるのかを計算しました。年間の所得額によっても、かかる所得税や住民税が異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。
 
課税所得額が500万円の家庭で、年間6万円の対象医薬品を購入した場合を計算します。なお、セルフメディケーション税制は、世帯ごとの申請となります。
 
6万円分購入した場合は、1万2000円を差し引いて、控除額は4万8000円です。
 

●4万8000円×所得税率20%=9600円
●4万8000円×個人住民税率10%=4800円

 
所得税と個人住民税の減税額を合計すると、1万4400円の節税につながることが分かりました。
 

セルフメディケーション税制を利用すると節税につながる

薬局で、対象医薬品を1万2000円以上購入した場合は、忘れずに「セルフメディケーション税制」を申請しましょう。
 
国としては「国民が自分自身で健康を管理すること」を促進するという目的がありますが、個人にとっても、節税につながることは間違いありません。
 
医療費控除との併用はできないため、より節税できるほうを選択しましょう。
 

出典

厚生労働省 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

財務省 セルフメディケーション税制の見直し(令和3年度改正)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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