「ロレックス」や「パテック」などの売却益に税金はかかる? 資産にもなる腕時計のお金にまつわる豆知識
配信日: 2023.11.30
そこで本記事では、腕時計の売却益に関するお金事情について解説します。記事後半には高級腕時計業界の概要や、資産価値の高いブランドを紹介していますので、気になる人は最後までぜひチェックしてください。
執筆者:タリトネ(たりとね)
FP2級(AFP)
腕時計の売却益は課税対象? 譲渡所得の適用範囲をチェック
前提として国税庁では「譲渡とは、有償無償を問わず、所有資産を移転させる一切の行為」としています。通常の売買はもちろん、交換・競売・公売・財産分与・法人の現物出資などが譲渡に含まれるのです。
この前提を踏まえて、腕時計の売却益は譲渡所得として課税対象となるのか考えてみましょう。「ロレックス」「パテックフィリップ」「ブレゲ」といった高級腕時計は資産価値が高く、売却時に1つ当たり数十万円の高値が付くこともしばしばで、実際に売れば結構な収益になります。
しかし、それだけのお金を受け取れる腕時計の売却益は、譲渡所得の課税対象に含まれません。腕時計は「生活用動産」として判断され、譲渡所得の課税対象外になるのです。「生活用動産」とは、いわゆる「日常生活の中で一般的に使用するもの」です。どれだけ高級腕時計の売却でお金を得ても、時計は生活用動産であり課税されることがなく、確定申告も不要です。
なお、1個または1組の価格が30万円を超えるものは「ぜいたく品」として捉え、譲渡所得とするルールもあるのですが、実用品としての側面もある腕時計は基本的にそれに含まれません。ただし、骨董(こっとう)品として価値の高いアンティークウオッチ、貴金属品のようなジュエリーウオッチなどは、課税対象になる可能性もあるので注意しておきましょう。
資産価値の高い腕時計ブランドを紹介
近年、高級腕時計業界では世界的な大手資本グループによる競争が激化しており、各グループが有名ブランドを傘下にして業績を上げています。
ここからは腕時計好きの筆者が資産価値の高いブランド時計について、グループ別に分けて特徴や魅力を紹介します。
スウォッチグループ(日本法人名:スウォッチ・グループ ジャパン株式会社)
業界有数の巨大資本グループで、傘下には「オメガ」「ブレゲ」などの高級ブランドを抱えています。「ロンジン」「ハミルトン」「ティソ」などの中堅人気ブランドも数多く傘下に入っており、グループとして盤石の体制を築いています。資産価値の高いのは本場スイス発祥の老舗「オメガ」や、フランス発祥の高級ブランド「ブレゲ」です。
リシュモングループ(日本法人名:リシュモンジャパン株式会社)
宝飾系ブランドに強い巨大資本グループです。スイス時計の最高峰「IWC」や、イタリアを代表する「パネライ」、ドイツで不動の高級ブランド「ランゲ&ゾーネ」などが資産価値の高いブランドとして知られています。
LVMHグループ(日本法人名:LVMHジャパン株式会社)
時計以外にも高級ファッションや高級ワイン&スピリッツなども手掛ける世界的資本グループです。比較的新しいブランドの「ウブロ」や、高級時計の入門ブランド「タグホイヤー」、イタリアブランドの雄「ブルガリ」などが資産価値の高いブランドとして評価されています。
その他のグループや独立ブランド
3つの資本グループに参加していないブランドの中にも、いくつか資産価値の高いものがあります。その代表的な存在が「ロレックス」や「パテックフィリップ」、そして「オーデマピゲ」です。その精巧かつデザイン性の優れた腕時計は、前述した「オメガ」「IWC」などと同等かそれ以上の高値が付くことが多いです。
高級腕時計は課税対象にならない! 安心して売却しよう
今回は高級腕時計の売却時に気になる譲渡所得について見てきました。「ロレックス」「パテックフィリップ」「オメガ」など、売るときに高値が付けられる高級腕時計は、基本的に生活に必要なものとして見られるため、譲渡所得の課税対象にはなりません。
もし、高級時計の売却に興味があるのでしたら、気軽に買い取り店などに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
執筆者:タリトネ
FP2級(AFP)