更新日: 2023.12.22 その他税金
たばこは「半分以上」が税金って本当? 製品価格だけなら実は安い? 課税内容について解説
相次ぐ値上げで高価な印象となったたばこですが、さまざまな税金が課税されていることから、実は税金を除いた製品価格はかなり低いといえます。
本記事では、「たばこ」に対してどのような税金が課税されているか解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
たばこは特に税負担が高い商品
日本国内で取り扱われている商品の中でも特に税負担が高いたばこには、国たばこ税・地方たばこ税・たばこ特別税・消費税の4つの税が課されています。そもそも生活必需品ではなく特別な嗜好品に分類されるため、一般的な商品よりも税負担が重たくなっており、今も昔も国・地方を問わず貴重な財源であることは間違いありません。
年間2兆円近い税金が徴収できるたばこは税収の安定性も高いといえますが、たばこ税は時代の流れとともに今も少しずつ上がっています。これまでの値上げの歴史を考えれば、まだまだ税率が高くなる可能性があるといえるでしょう。
たばこ税の内訳について
たばこ税は重たい課税がされている商品ですが、課税されている種類によって具体的な課税割合は異なります。一般の紙巻きたばこで販売価格が1箱580円の場合、それぞれの課税割合と金額は図表1を参考にしてみてください。
図表1
国たばこ税 | 152.44円(26.3%) 内訳 たばこ税136.04円(23.5%) たばこ特別税16.4円(2.8%) |
地方たばこ税 | 152.44円(26.3%) 内訳 都道府県たばこ税21.4円(3.7%) 区市町村たばこ税131.04円(22.6%) |
消費税 | 52.73円(9.1%) |
JT たばこ税の仕組みを基に作成
1箱580円のたばこなら税負担合計は357.6円(61.7%)と半分以上が税金で、単純にたばこの価格だけで考えると約222円となります。たばこ税の課税割合をみると、国税と地方税は同額で、双方の重要な税収入になっていると考えられます。将来的にたばこ税がさらに重く課税される可能性も十分にあるでしょう。
加熱式たばこも課税される?
加熱式たばこ(電子たばこ)は紙巻たばこと比較して税負担が低いことも理由の一つとなり、紙巻から加熱式に変更する人もいます。税率は紙巻よりも最大3割程度抑えられており、この税負担差を背景に販売価格も異なります。そのため加熱式たばこと紙巻たばこの税負担を同程度にし、この税負担差を解消して課税の適正化をめざす案が出てきています。
近年では税金の安い加熱式たばこを吸っている人も増えてきているため、税収入の確保の観点からも加熱式たばこの増税が議論されているといえるでしょう。
まとめ
たばこは嗜好品として特に重たい課税がされている商品で、国や地方を問わずに重要な財源となっています。もしも、たばこ税がなくなると毎年2兆円近い税収がなくなるため、さまざまな公共事業などにも影響を与えるでしょう。これまで何回もたばこ税は増税されてきた過去があるので、もしかするとさらに税負担が重たくなるかもしれません。
普段からたばこを吸っている人は、税金の動向について気が気ではないかもしれませんね。
出典
財務省 たばこにはどれくらいの税金がかかっているのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー