大学生の子どもが、年末に出勤しました。年間130万円を超えた場合、どうすればよいのでしょうか?

配信日: 2024.01.23

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大学生の子どもが、年末に出勤しました。年間130万円を超えた場合、どうすればよいのでしょうか?
学生であっても一定以上の年収があると、所得税の支払い義務があります。それ以外に、社会保険料も一定以上の年収で支払い義務が発生します。これらは、年収130万円の壁ともよばれています。
 
本記事では、学生が年収130万円を超えた場合にどうなるのか、どのような対処が必要なのかを解説します。学生あるいは子どもが学生の人は、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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勤労学生向けの所得控除(勤労学生控除)とは

学生がアルバイトなどで収入を得た場合も、原則として所得税の課税対象になります。しかし税法上、学生については条件を満たした場合に控除を認める規定が定められています。
 
これを「勤労学生控除」とよばれていますが、この控除を受けるためには対象となる学生であることや所得額の条件があります。まずは対象となる学生(勤労学生)の対象から解説します。

 

対象となる学生

勤労学生控除の対象となる学生は、以下の学校に通学する学生です。
 

・学校教育法に規定された小学校・中学校・高等学校・大学・高等専門学校など
・国、地方公共団体、私立学校法で規定された学校法人・法人などが設置した専修学校または各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
・職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で、一定の課程を履修させるもの

 
一般的な高校生や大学生だけでなく、各種学校や職業訓練の学生も対象になるので、対象かどうか分からない場合は学校に確認しましょう。

 

対象となる所得の上限

勤労学生控除額は、27万円です。その対象となるためには対象学生であることのほかに、以下の所得条件をすべて満たす必要があります。
 

・勤労による所得(給与所得など)がある
・合計所得金額が75万円以下
・1以外の所得が10万円以下である

 
給与所得者には給与所得控除の55万円があるので、収入が130万円以下であれば所得も75万円以下になり条件を満たします。
 
また、所得税が非課税となる年収は103万円以下です。したがって27万円の勤労学生控除があれば、130万円の年収でも103万円以下(130万円-27万円=103万円)となり、課税対象にならない仕組みです。

 

学生の収入が130万円を超えた場合のデメリットと対処法

勤労学生控除によって条件を満たす学生は、年収130万円まで所得税が非課税となる優遇措置を受けることができます。
 
しかし、一般的に非課税の年収は103万円以下なので、勤労学生にも103万円を超えるとデメリットがあります。また、130万円を超えることで、学生にどのようなデメリットが発生するのかに加えて対処法も確認しておきましょう。
 

◆年収103万円を超えた場合の世帯としてのデメリット

・税法上の扶養から外れるため、親が特定扶養親族の控除63万円を受けられない
・親が勤務先から子どもの扶養手当や家族手当をもらっている場合、もらえなくなる可能性がある

 

◆年収130万円を超えた場合のデメリット・対処法

・勤労学生控除が受けられなくなり所得税が課税される⇒ 年末調整や確定申告で納税する
・社会保険料の支払い義務が発生する⇒ 勤務先の保険に加入するか、国民健康保険に加入する

 
年収130万円を超えてしまうと学生の負担が大きくなってしまうので、できるかぎり130万円を超えないようにしましょう。毎年1月1日~12月31日までの収入が対象なので、特に年末の収入には気をつける必要があります。

 

学生の所得が130万円を超えるとデメリットが大きいので130万円以下におさえよう

勤労学生は勤労学生控除により、非課税となる年収が通常よりも大きい130万円となっています。これによるメリットは大きいですが、103万円を超えると親の課税額にも影響するので注意しましょう。
 
また、130万円を超えてしまうと、学生自身にも課税義務や社会保険への加入義務が発生し、負担が大きくなってしまいます。年末に急な仕事があった場合は、収入を計算して130万円を超えない年収に調整しましょう。

 

出典

国税庁 No.1175 勤労学生控除
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 家族と税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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