能登半島地震で「5万円」の義援金を送ったけど、今年の「ふるさと納税」に注意が必要って本当? 確定申告の注意点を解説

配信日: 2024.02.28

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能登半島地震で「5万円」の義援金を送ったけど、今年の「ふるさと納税」に注意が必要って本当? 確定申告の注意点を解説
2024年元日に発生した能登半島地震。被害を受けた自治体へ寄附金や義援金を送った人は多いのではないでしょうか。
 
実は、この寄附金・義援金は「ふるさと納税」のあつかいとなっており、来年に確定申告をすることによって「ふるさと納税」の特例を利用して節税ができます。ただし、「ふるさと納税」を普段からしている人は「限度額」に気を付けましょう。本記事では、ふるさと納税の仕組みや義援金を送った際の注意点を紹介します。
山田圭佑

執筆者:山田圭佑(やまだ けいすけ)

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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寄附金や義援金は「ふるさと納税」あつかい

総務省によれば、ふるさと納税は「被災地の都道府県や市区町村に直接寄附する場合のほか、災害救助法の適用を受けた災害について日本赤十字社や中央共同募金会などが義援金の募金活動を行っている場合にも、その義援金が最終的に被災地方団体又は義援金配分委員会等に拠出されるものであるときは、『ふるさと納税』として所得税と個人住民税で控除(還付)が受けられます。」とされています。
 
このように、地方自治体に向けた義援金・寄附金は「ふるさと納税」としてあつかわれ、確定申告の際に申請すれば、ふるさと納税と同じ仕組みで控除が受けられます。
 
通常の寄附金の場合でも控除は受けられますが、ふるさと納税の特例を利用すればさらに有利になりますので、被災地に寄附をした人は忘れずに申請することをおすすめします。
 

「ふるさと納税」による節税の仕組み

ここでは、改めて「ふるさと納税」による税金還付の仕組みについて紹介します。総務省によれば、ふるさと納税は自分の選んだ自治体に寄附を行った場合に、寄附額のうち2000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です。
 
控除額は、以下の1~3の合計で算出されます。

1 所得税からの控除=(ふるさと納税額-2000円)×「所得税の税率」
2 住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2000円)×10%
3 住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2000円)×(100%-基本文10%-所得税の税率)

上記の3については、この特例分の金額が「住民税所得割額の2割を超えない」ときに適用される式であり、この部分が住民税所得割額の2割を超えると、それ以上は増加しません。このようにふるさと納税には、実質負担2000円で全額還付を受けることができる「限度額」が設定されていることを忘れないようにしましょう。
 

自分の「ふるさと納税」の限度額を調べておこう

総務省では、寄附額から2000円を除いた満額が節税できる「ふるさと納税の限度額」の目安を公表しています。こちらを参考に、あらかじめ自身の「限度額」目安を計算しておきましょう。
 
「今年中に行った被災地への寄附額」+「今年中に行ったふるさと納税額」≦「限度額」
 
例えば、年収600万円で独身の場合は、総務省の一覧表によれば「限度額」は7万7000円です。今年中に被災地へ向けて5万円の寄附をしている場合、ふるさと納税は7万7000円−5万円=2万7000円までに抑えておけば、実質負担は2000円で済むことになります。
 

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「限度額」を超えてしまった場合は

1年間に前記の「限度額」を超えて寄附をした場合は、限度額を超えた分については通常の寄附金控除のみになります。
 
例えば、年収600万円で独身の人が「限度額」の7万7000円を超えて合計10万円の寄附をした場合は、超過した2万3000円分については全額控除されず、以下の合計で控除額が決まります。

1 所得税からの控除=(超過額)×「所得税の税率(年収600万円の場合は20.42%)」
2 住民税からの控除(基本分)=(超過額)×10%

計算してみると、以下のとおり合計で6996円が追加で控除されることになります。

1 2万3000円×20.42%=4696円 
2 2万3000円×10%=2300円

 

まとめ

義援金に関する税金上の取り扱いと、「ふるさと納税」とのかかわりについて解説しました。今年1年間の「限度額」を超えて寄附やふるさと納税をした場合でも、きちんと確定申告をすることで節税が可能になります。そのため、義援金を被災地に送った場合などは必ず「振込依頼書等の控え」などの証拠書類を保管しておき、来年の確定申告で忘れずに申請をしましょう。
 

出典

国税庁 義援金に関する税務上の取扱いFAQ
総務省 ふるさと納税のしくみ
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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