更新日: 2024.06.05 その他税金
4月に事故で車が「廃車」に! 5万円を費用で払ったのに、自動車税「4万5000円」の通知が! 廃車にしても「税金」がかかる理由とは? 放置がNGなワケも解説
この記事では、廃車になった自動車の税金の取り扱いや、4月に廃車した車に税金がかかる理由などを解説します。「もう手元に車がないのに自動車税の通知が来た」という経験のある人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:石上ユウキ(いしがみ ゆうき)
FP2級、AFP
廃車になった自動車にも税金がかかる?
4月中に自動車が事故や故障で廃車になった場合、自動車税が課税されます。自動車税は4月1日時点で車を所有している人に対して課税されるためです。課税対象の人は、5月中に自動車税を納める必要があります。
例えば、4月5日に自家用車が事故に遭ったとしましょう。仮に自家用車の廃車手続きが4月中に済んだとしても、4月1日時点では廃車になっていないため車を所有しているとみなされます。よって、廃車になった車の自動車税がかかるのです。
自動車税は原則、1年単位で納税しますが、普通車が廃車になった場合には、月割りで支払えるため4月1日から廃車月までの金額を納めることができます。ただし、軽自動車の場合は月割りが適用されないので注意が必要です。
廃車になった自動車の税金を払わないとどうなる?
「もう自分の所有物ではないから」と、廃車になった自動車の税金を払わずにいると、以下のデメリットが生まれます。
・延滞金がかかる
・差し押さえになる可能性がある
「もう廃車だから」と自動車税の納付を怠っていると、延滞金が課されます。延滞金は納付期限から1ヶ月以内に納税した場合は年7.3%、それ以降の納税は年14.6%の延滞金が当該税額に対して加算されます。延滞金は日割り計算されるため、自動車税が未納となっている場合はすぐに納めましょう。
さらに自動車税を滞納し続けていると最悪の場合、給与や預金口座など財産の差し押さえが行われる可能性があります。遅延金が加算された催告書が届いても期日まで支払わない場合、最終的に差し押さえ予告通知書が届き、財産が差し押さえられるケースが多いです。督促の通知が来たら、その時点で必ず税金を納めてください。
廃車後に購入した車の税金はいつかかる?
事故や故障で車が廃車となってしまった後に、新しい普通車を購入したとしましょう。この新車に対する税金は、以下のとおり支払います。
購入月の翌月からその年度の3月まで:月割りで支払う
翌年以降:通常どおり年額を支払う
自動車税は、車を購入した翌月から課税されます。月末に購入するとすぐに翌月から納税義務が発生するため、支払いに余裕を持ちたい人は月頭の購入がおすすめです。
新車を購入してから最初の4月1日を迎えると、月割りでは支払えなくなります。通常どおり年額をまとめて支払ってください。
なお、軽自動車は月割りがないため、購入時期によっては自動車税をいくらか負担せずに済みます。例えば車を所有しているか判断される4月1日以降になるべく早く購入すれば、約1年分の税金の節約が可能です。
自動車税は自動車を所有している限り必ずかかる
自動車税は自動車を所有しているとみなされる限りは、必ず課税されます。廃車状態になったからといって、勝手に税金がかからなくなる仕組みではありません。
もし事故や故障などの理由で廃車となる場合は、必ず正式な手続きを踏んだうえで自動車税を納め、未納分が発生しないようにしましょう。
出典
e-Gov法令検索 地方税法
一般社団法人 自動車公正取引協議会 自動車税 月割り納税額一覧表
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP