5月に車を買い替えようとしたら、妻から「年度初めは税金が損にならないの?」と聞かれました。自動車税に損得ってあるのでしょうか?
配信日: 2024.06.08
そこで本記事では、自動車税の基本に加えて、車の買い替えの損にならないタイミングについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
自動車税の基本
自動車税とは、毎年4月1日の時点で車を所有している方に課せられる地方税です。自動車税は、車検証に記載されている所有者に支払い義務があります。自動車税の納付額は毎年5月上旬に通知され、5月末が納付期限となっています。
通常、自動車税は1年分をまとめて前払いしますが、失業や病気などでどうしても一括払いが難しい場合は、都道府県税事務所に相談すれば分割払いにしてもらえる場合もあります。
年度途中で車を買い替えた場合の自動車税は?
年度途中で車を買い替えた場合、新しく車を買い替えたからといって、古い車の自動車税が免除されるわけではありません。古い車の自動車税に加えて、新たに購入した車の自動車税も支払う必要があります。
例えば、新しく購入した乗用車の自動車税は、購入した月の翌月分から次の3月分までを図表1のように月割りで支払います。
図表1
乗用車の種別 | 1リットル以下 | 1リットル超~ 1.5リットル以下 |
1.5リットル超~ 2リットル以下 |
2リットル超~ 2.5リットル以下 |
---|---|---|---|---|
1ヶ月分 | 2400円 | 2800円 | 3200円 | 3700円 |
2ヶ月分 | 4900円 | 5700円 | 6500円 | 7500円 |
3ヶ月分 | 7300円 | 8600円 | 9800円 | 1万1200円 |
4ヶ月分 | 9800円 | 1万1500円 | 1万3100円 | 1万5000円 |
5ヶ月分 | 1万2200円 | 1万4300円 | 1万6400円 | 1万8700円 |
6ヶ月分 | 1万4700円 | 1万7200円 | 1万9700円 | 2万2500円 |
7ヶ月分 | 1万7200円 | 2万100円 | 2万3000円 | 2万6200円 |
8ヶ月分 | 1万9600円 | 2万3000円 | 2万6300円 | 3万円 |
9ヶ月分 | 2万2100円 | 2万5800円 | 2万9600円 | 3万3700円 |
10ヶ月分 | 2万4500円 | 2万8700円 | 3万2900円 | 3万7500円 |
11ヶ月分 | 2万7000円 | 3万1600円 | 3万6200円 | 4万1200円 |
12ヶ月分 | 2万9500円 | 3万4500円 | 3万9500円 | 4万5000円 |
東京都主税局「自動車税月割税率表(自家用)」をもとに筆者が作成
5月1日に1リットル以下の乗用車を購入した場合、自動車税は翌月の6月分から翌年3月分までの10ヶ月分となり2万4500円、4月30日に購入した場合は、自動車税は翌月の5月分から翌年3月分までの11ヶ月分となり2万7000円となります。
車の購入日がたった1日違うだけで、自動車税に3500円の違いが出るため、車は「月末」より「月初」に購入するほうがおすすめです。
一方、軽自動車税は4月1日の時点で軽自動車を所有している場合に支払いが発生するため、年度途中で買い替えた場合は軽自動車税を支払う必要はありません。このため、軽自動車を購入する場合は、4月2日以降に車検証登録してもらうと、1年分の軽自動車税を節税できるのでお得です。
5月の車の買い替えは「還付金」に影響する
5月の車の買い替えが損になるか得になるかは、自動車税の納付が済んでいるかどうかによって変わります。
なぜなら、自動車税が納付済みだと所有している古い車を廃車(抹消登録)にした場合、すでに前払いした1年分の自動車税から抹消登録翌月分からの払いすぎた金額を還付してもらえるからです。
一方、納付が済んでいない場合は、廃車にしても還付金はないので注意が必要です。また、買い替えの際に車を売却できなかったり、車検を受けられなかったりするなどのデメリットがあります。
5月の車の買い替えは自動車税が納付済みなら損にならない
5月の車の買い替えは自動車税が納付済みであれば、廃車にした際に還付金が戻ってくるので損にはなりません。ただし、納付済みでない場合は、廃車にしても還付金が受け取れず、古い車の売却ができず、車検を受けられないデメリットのほうが大きくなってしまうでしょう。
また、軽自動車税の場合は、課税者が決定する4月1日を避け、4月2日以降に車検証登録をすると、1年分の軽自動車税が節税できるというメリットがあるので、これから買い替えを検討している方は納車のタイミングとして参考にしてみてください。
出典
東京都主税局 自動車税月割税率表(自家用)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー