最近は地震関連のニュースが多く心配です。もし自宅が倒壊したら「税金」や「保険料」はどう払えば良いですか? 補助や減額などの措置は受けられるのでしょうか…?

配信日: 2024.08.23

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最近は地震関連のニュースが多く心配です。もし自宅が倒壊したら「税金」や「保険料」はどう払えば良いですか? 補助や減額などの措置は受けられるのでしょうか…?
2024年8月8日、宮崎県での震度6弱・マグニチュード7.1の地震を受け、南海トラフ地震の想定震源域での「大規模地震への注意」を呼びかける臨時情報が発表されました。
 
この報道を受けて、万一大地震に見舞われたあとの生活を気にしている人も少なくないでしょう。例えば家が倒壊したり津波で流されたりした場合、税金を納めるどころではありません。被災した場合には何らかの減免があるのでしょうか?
 
本記事では大地震で被災した場合の所得税、社会保険料の減免や雑損控除について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国税の納税猶予

災害によって財産に相当の損失を受けた場合や、災害を受けたことで国税を納付することが一時的に困難になってしまった場合、納税の猶予措置を受けられることがあります。
 
2024年1月に発生した「能登半島地震」では被害に遭った人を対象に、国税に関する申告期限等の延長の措置が取られました。「令和6年1月1日以降に到来する一部の国税について、納税期限を別途国税庁告示で定める期日まで延長する」という趣旨のものです。
 
例えば納税が猶予された一部地域について、令和6年3月15日が納期限だった申告所得税と復興特別所得税の振替納付日が令和6年8月19日に、4月1日が納期限だった消費税と地方消費税の振替納期限が8月26日にそれぞれ延長されています。
 

所得税の減免・社会保険料の措置

災害減免法が適用された場合、所得税が軽減または免除されます。
 

・災害によって住宅や家財に被害を受けている
・損害額が時価の2分の1以上、かつ被災した年の所得金額の合計額が1000万円以下である

 
以上の条件を満たす場合に適用されます。ただし、損害額は保険金などによる補填を除いた金額であり、後述する「雑損控除」を適用しないことが前提です。
 
また、「社会保険料」についても被災すると何らかの措置が講じられることがあります。
 
例えば能登半島地震で被災した人について、国民年金の被保険者が住宅や家財、その他財産のうち被害金額がおおむね2分の1以上の損害を受けた場合、本人からの申請に基づいて、国民年金保険料が免除されます。
 

雑損控除

雑損控除は、災害または盗難、もしくは横領などによって、雑損控除の対象になる資産の要件に当てはまる資産の被害が生じた場合に、一定金額までの控除が受けられる制度です。
 
制度の対象になるのは、本人や家族が日常生活をするのに必要不可欠な住宅・家財、現金などです。生活に通常必要ない美術品などは対象には含まれません。
 
雑損控除では、次の(1)と(2)のうちいずれか多いほうの金額を控除できます。
 

(1)(損害金額+災害等関連支出の金額−保険金等の額)−(総所得金額等)×10%
(2)(災害関連支出の金額−保険金等の額)−5万円

 
また雑損控除では、損失額が大きくその年の所得から控除しきれない場合、翌年以降3年間繰り越して各年の所得から控除できます。東日本大震災や能登半島地震など、特定非常災害に指定される大地震の場合は5年間繰り越しとなることもあります。
 

まとめ

大地震の被害に遭った場合、被害の程度によっては国税の納税猶予や災害減免法の適用、雑損控除などの減免措置を受けられる場合があります。いざ大地震がきたときに困らないよう、それぞれの減免でどのような手続きが必要になるのかを確認しておくことをおすすめします。
 

出典

気象庁 南海トラフ地震関連解説情報(第7号)
国税庁 石川県及び富山県における国税に関する申告期限等の延長について
国税庁 令和6年能登半島地震に係る国税の申告・納付等の期限延長措置の一部地域における終了に伴う振替納税のお知らせ
国税庁 No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除
日本年金機構 令和6年能登半島地震により被害を受けられた皆さまへ
国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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